高校
2025.04.10
【#6】大山壇の入試問題Pick Up!「今年の入試からPick Up!」

みなさん,こんにちは。新年度がスタートして,まだ色々とバタバタしている時期かと思いますが,今回もお付き合いいただければと思います。
さて,第6回の今回は,今年の入試問題から大山が「おっ!」と感じた問題を紹介します。(と言っても,自分も各予備校の解答速報で発表されている問題ぐらいしか見ることができていないので,そこはご容赦ください。)
統計的な推測
新課程1年目は出題されないかと思っていましたが,浪人生に配慮することなく出してきましたねぇ。
内容は基本的なのですが,きちんと対策していた受験生がどれだけいたのでしょうか…。
来年以降は,メディカル系学部を中心に出題が一気に増えるでしょう。(解答例はこちら)
年号問題
毎年,『数列』や『整数』いわゆる年号問題が出題されるわけですが,今年の問題できれいな出題だと感じたのがこちらです。
「どこが年号問題だ?」と思うでしょうが,まぁ,ぜひ解いてみてください。大山は問題を見て数秒で答えに気付いてしまい,ニヤッとしてしまいました(笑)(解答例はこちら)
確率漸化式
確率漸化式は入試の定番なのですが,毎年毎年,よく色んな問題が出てくるなぁと感心してしまいます。今年も東京大(文科)前期 第3問,京都大(理系)前期 第6問は名作だと思います。そんな中,紹介したいのがこちらです。
確率漸化式というと,すぐに「\(n\) と \(n+1\) の比較」だけで何とかしようとする受験生が多いものですが,それだと落とし穴にハマります。
大山はつねに「推移図を前から描いて数え上げるつもりで行け!」と指導しています。そうすると,本間のような偶奇の場合分けにも気づきやすいわけです。
ただ,この問題は(2)が余分だったのではないかと。分量が…。(解答例はこちら)
逆関数の微分・積分
「逆関数って何?」と聞くと,作業の仕方(\(x\) と \(y\) を入れ替えて,\(y=\) …の形に変形する)が返ってくるのが毎年の恒例行事(皮肉)です。
ざっくり言えば,逆関数とは \(\boldsymbol{y}\) から \(\boldsymbol{x}\) に戻す関数です。この感覚を持っていないと,逆関数の微分・積分を理解しにくいと思います。そんな,逆関数の問題がこちらです。
逆関数の意味を理解していれば簡単,そうでなければ激ムズと感じられる問題なので,大きく差がついたと思われます。
古くは1998東北大(理系)前期 第1問(大山が受験したときの問題です)や,2006東京大(理科)前期 第6問が有名です。比較的最近の出題だと,2018大阪市立大(理・工・医)前期 第3問は使い勝手の良い問題です。(解答例はこちら)
幾何と関数
最後に紹介するのはこちら。
いやぁ,解答速報作成でも悩まされました。(苦笑)
(1)は定番問題なのでイイとして,問題は(2)ですよ。まず,フリーハンドでもある程度ウマく図を描けないと,本問は対処できないでしょう。その上で,様々な解法が考えられるので,適切な変数を設定してパワフルに計算する力が試されます。
まぁ,試験会場では捨ててもイイかもしれませんが,難関大を目指す生徒には一度じっくりと取り組ませたい良問だと思います。(解答例はこちら)
第6回は以上になります。いつもは指導ポイントの話とそれに適する問題の紹介という形でしたが,今回は最新の問題をいつもより多めに紹介してみました。楽しんでいただけたでしょうか?
次回は新学年の指導に役立つように,「計算力」をテーマとしたいと考えています。お楽しみに♪
宇都宮北高校,東北大学理学部数学科卒。
2006年度から代々木ゼミナールの講師となり,現在は新宿本部校と札幌校に出講しています。対面・映像の授業の他にも,テキスト・模試・解答速報の作成なども行っています。
もっと毒をはいている大山を見たい方は,X(旧Twitter)をどうぞ!→ @dan_oyama_0206
《著書》
・『全国大学入試問題正解』(旺文社)解答執筆(京大,一橋大,東北大など)
・『整数分野別標準問題精講』(旺文社)
・『全レベル問題集 3 』(旺文社)
・『全レベル問題集 5 』(旺文社)
・『大山壇の基本から身につける計算力IA』(KADOKAWA)
・『大山壇の基本から身につける計算力IIB』(KADOKAWA)
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