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高校

2026.07.09

【#7】大山壇のmath雑談~入試問題演習~「図形 ~最高の景色を~」《数学Ⅰ・A》

 代々木ゼミナール講師の大山が,大学入試問題を紹介しながら,ワンポイントレッスンをしていく連載記事です。
 以前の連載記事『大山壇の入試問題Pick Up !』とテーマが重複することもあるかもしれませんが,主に高校生・大学受験生に向けた内容にしていきます。生徒のみなさんにとっての演習に,先生方にとっては日々の指導の参考に,少しでも役立てば幸いです。

 今回は『図形(幾何)』についてお話します。
 正弦定理余弦定理メネラウスの定理方べきの定理などの定理・公式は覚えているけど,大問全体は解けなかったり時間がかかりすぎるという人が多いものです。
 そういう人は「定理・公式を当てはめること」ばかり考えていて,図形の眺め方の練習が不足していることが原因である可能性が高いのです。

7.1 垂線を下ろす

 まず,次の例題を解いてみてください。

\(\text{AB} = 4\sqrt{2}\),\(\text{AC} = 7\),\(\angle\text{BAC} = 45^{\circ}\) である三角形 \(\text{ABC}\) において,辺 \(\text{BC}\) の長さ,および三角形 \(\text{ABC}\) の面積を求めよ。

 「テキトーに図を描いて,とりあえず余弦定理,次に面積公式に当てはめて…」とやった人が多いのではないでしょうか?
 もちろん,それでも結果の数値は得られますが,三角比の計算をはさむ分やや遅くなりがちだし,そもそも「どのような図か?」という図の把握ができていません。この程度の問題なら,図を把握できていなくとも答えられますが,例えばこの問題に続きがあって,後半で図を把握していることを要求されるようなら困ってしまいます。

 大山なら「 \(45^{\circ}\) と \(4\sqrt{2}\) 」という情報に注目して,次図のように垂線を下ろすことを優先します。

【#7】大山壇のmath雑談~入試問題演習~「図形 ~最高の景色を~」《数学Ⅰ・A》01

 点 \(\text{B}\) から辺 \(\text{CA}\) に下した垂線の足を \(\text{H}\) とすると,三角形 \(\text{ABH}\) は直角二等辺三角形になるから,\(\text{AH}:\text{HB}:\text{BA} = 1:1:\sqrt{2}\) となります。
 したがって,\(\text{AH} = 4\),\(\text{BH} = 4\) なので,直角三角形 \(\text{BCH}\) の3辺の比が \(3:4:5\) になることが把握できます。ゆえに

 \(\text{BC} = \textbf{5},\quad \triangle\text{ABC} = \cfrac{1}{2}\cdot7\cdot4 = \textbf{14}\)

です。

 このように,与えられている角度の情報をウマく使うための補助線として引く垂線は,使えるタイミングがけっこう多いので,意識的に練習してみてください!
 というわけで,次の問題をどうぞ。

【#7】大山壇のmath雑談~入試問題演習~「図形 ~最高の景色を~」《数学Ⅰ・A》03

 高校数学の知識がゼロの状態でも解ける問題です。(解答例はこちら

 では,次の問題はどうでしょうか?
 角度の情報は与えられていませんが…

【#7】大山壇のmath雑談~入試問題演習~「図形 ~最高の景色を~」《数学Ⅰ・A》05

 ウマく垂線を下ろせましたか?(解答例はこちら

7.2 相似の利用

 方べきの定理は,三角形の相似から示すのが簡単です(違う方法もありますが)。

【#7】大山壇のmath雑談~入試問題演習~「図形 ~最高の景色を~」《数学Ⅰ・A》07

 この結果を丸暗記しているだけだと,例えば上の(図1)において,\(\text{AC}\) と \(\text{BD}\) の長さを使うべき問題で困ってしまうことがあります。
 だから,上の3パターンのいずれかの図形が与えられたら,「方べきの定理」を疑うのではなく,そもそもの三角形の相似を疑うことをオススメします!

 このことを踏まえて,次の問題をどうぞ!

【#7】大山壇のmath雑談~入試問題演習~「図形 ~最高の景色を~」《数学Ⅰ・A》09

 (3)は,方べきの定理だけでは解けません。(解答例はこちら

 正五角形の対角線の長さを求める問題は頻出なのですが,初見ではやや難しいです。三角関数の加法定理を利用して計算で求める方法もありますが,三角形の相似から求める方が手数が少ないのでラクです。

【#7】大山壇のmath雑談~入試問題演習~「図形 ~最高の景色を~」《数学Ⅰ・A》11

 面積比の話も絡むので,やはり相似から攻めるのが得策でしたね。(解答例はこちら


 第7回は以上です。
 高校数学の図形分野は計算方法の紹介に偏りがちですが,図形はやはり「その図形がどのような図形なのか」という図の把握が大切です。
 このことを意識して今後の勉強に取り組んでみてください!
 次回は「ベクトル」をとりあげてみようと思っています。お楽しみに♪

【大山 壇(おおやま だん)先生 プロフィール】
宇都宮北高校,東北大学理学部数学科卒。
2006年度から代々木ゼミナールの講師となり,現在は新宿本部校と札幌校に出講しています。対面・映像の授業の他にも,テキスト・模試・解答速報の作成なども行っています。
もっと毒をはいている大山を見たい方は,X(旧Twitter)をどうぞ!→ @dan_oyama_0206
《著書》
・『全国大学入試問題正解』(旺文社)解答執筆(京大,一橋大,東北大など)
・『整数 分野別標準問題精講』(旺文社)
・『全レベル問題集③』(旺文社)
・『全レベル問題集⑤』(旺文社)
・『大山壇の基本から身につける計算力IA』(KADOKAWA)
・『大山壇の基本から身につける計算力IIB』(KADOKAWA)

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