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中学校
2023.02.09
【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践⑮~MeetおよびDマークコンテンツ/操作編(1年生空間図形)~
相模原市立相武台中学校
加藤光顕先生
今回は、1年で学習する空間図形の展開図における実践で活用したMeetおよびDマークコンテンツの有効な方法をご紹介します。
①デジタル上での操作が、個々の体験を促進させる。そして、理解と意欲を高める。
□単元:6章 空間図形 □内容:空間図形(展開図) □学年:中学1年生
空間図形では、平面図形に加えて奥行きが生じるため、理解に苦しむ生徒が増加する単元です。特に展開図は、自ら体験して確認することが、課題を理解し解決するうえでとても重要な要素となるでしょう。
デジタルコンテンツがない時代は、それこそ実物の教材を購入し、展開図を提示したり、生徒にプリントを配付し、実際に切って展開させたり、組み立てさせたりしていたと思います。しかし、準備や片づけに時間がかかり、生徒個々の技能によって、どうしても差が生まれ(うまく切れずに初めからやり直す生徒もいます)、本来のねらいに到達するまでに大幅な時間を費やしていました。毎日のことで教員側の手間も大きなものでした。Dマークコンテンツが使用できるようになって平成28年ごろは、教室にはTVが1台しかなく、クラス全体への確認用として機能するだけで、個々での操作は実現しませんでした。
しかし、クロームブックが1人1台配付されてからは、そんな困難は一気に解決しました。なぜなら、一人ひとりがDマークコンテンツを使用できるようになったからです。実際に授業を行ってみると、6つのメリットがありました。
Dマークコンテンツ「立体の展開図を調べよう」の実践を紹介します。
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A デジタル上なので、組み立てと展開が何度でも行える。
間違えても、何度もやり直しができるので、試行錯誤を促進することができます。また、「展開する」をクリックして展開した後も、「組み立てる」をクリックすれば、再び組み立てることができるので展開と組み立ての位置関係を何度でも確かめることができ、生徒の理解に役立っていました。
B 作業時間が少なくなり、思考時間が増えた。
マウス操作なので、生徒の技能差による問題はほとんどなくなりました。また、作業に時間が奪われないので、その分思考することに時間を割くことができました。
C 展開図が1つではなく、何通りも考えることができる。
切る辺を選択して「展開する」をクリックすると、物理上可能であれば、自動で展開されます。だからこそ数学が苦手な生徒でも、確かめながら展開図を考えることができました。
D 展開されるときに、平面が動く軌跡も確認できるのでイメージしやすい。
特に円柱や円錐は、展開図を見るだけでは長方形やおうぎ形になる理由がわからない生徒がいます。しかし、アニメーションで円柱や円錐から長方形やおうぎ形に展開されるまでの軌跡が確認できるのでイメージの助けになっていました。
E 平面に色をつけることができるので、どの平面が展開されたのかわかりやすい。
正八角錐を展開したときの生徒の解答例は次のようになりました。生徒はMeetを利用して、それぞれの意見を発表しました。
F 見取図を表示することができるので、辺の位置関係を確認できる。
実際の模型では、面に隠れて裏側の辺は見えません。そのため、辺の位置関係を捉えることができません。しかし、Dマークコンテンツでは、いつでも見取図にできるため、位置関係を捉えやすくなります。
②まとめ
今回の授業実践を通して、従来よりも多くの生徒が空間図形を好きになったように感じます。理由は紛れもなく、一方的に説明を受けるのではなく、自ら操作を通して自分の考えを試行錯誤して確かめられたことだと思います。1人1台のクロームブックが普及したことでDマークコンテンツの活用が促進され、ここでもICTのよさが発揮されたのではないでしょうか。
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