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小学校

2023.02.06

【ICT教育のイマ】デジタル教科書のキソ・キホン③ 指導者用デジタル教科書の使い方(応用編)

前回の記事では「指導者用デジタル教科書の使い方(基礎編)」として、「提示する」ことを中心とした使い方をご紹介させていただきました。
今回は、もう少し踏み込んで、「思考・表現する」場面での使い方や、「教科書をカスタマイズする」使い方などについて紹介させていただきます。

ステップ4 試行錯誤により、思考力・表現力を高める

指導者用デジタル教科書には、理解を助けるためのコンテンツだけではなく、自由に操作して考えたり、自分の考えを表現したりするためのコンテンツも収録されています。

例えば、下は4年生の「面積のはかり方と表し方」の単元で、複合図形の面積の求め方を考える場面に収録されているコンテンツです。

【ICT教育のイマ】デジタル教科書のキソ・キホン③ 指導者用デジタル教科書の使い方(応用編)01

はさみを使って、自由に図形を切り、動かすことができます。

また、下のコンテンツは同じく4年生の立方体の展開図を考える場面のコンテンツです。

【ICT教育のイマ】デジタル教科書のキソ・キホン③ 指導者用デジタル教科書の使い方(応用編)02

正方形のタイルを自由に組み合わせて、立方体の展開図を考えます。「スタート」を押した時、正しい展開図になっていると、展開図を組立てて立方体になる様子を見ることができます。

これらの活動は、従来でしたら、紙のワークシートを配付したり、工作用紙を使って実際に組み立てさせたりして行っていました。もちろんデジタル教科書が導入されたからといってワークシートやノートに書く活動や、実物を操作する活動を無くしてよいということではありません。
しかし、デジタルコンテンツには、「簡単にやり直しができる」「何度もくり返しできる」という良さがあります。例えば、上の複合図形の面積の求め方の活動では、紙のワークシートだと簡単に書いたことが消せないため、間違いを恐れて手が止まる子どもたちがいました。しかし、デジタルでは簡単にやり直しができるため、「取りあえず切ってみる」というように、手を動かす子どもが増えたというご意見を実際に使用されている先生からはいただいています。
また、実物を使った操作に比べて、くり返し操作ができるため、多様な考えが出やすいという特性もあります。

こういったシミュレーションコンテンツは、順番に見るだけのコンテンツと比べると、一見して使い方が分かりにくいかもしれません。しかし、あえて自由度を高くすることで、児童生徒の多様な考え方を引き出したり、表現したりできるように意図して設計されています。

東京書籍は平成23年に初めて算数の指導者用デジタル教科書を発行して依頼、編集方針として、「先生と子どもたちの対話のためのツールとすること」を掲げています。是非、「ここを切ったらどうなると思う?」とか「先生!そこじゃなくてもう一つ横!」といったように、子どもたちとキャッチボールをしながら使ってみてください。

なお、指導者用デジタル教科書に収録されているこれらのシミュレーションコンテンツの一部は、教科書に掲載されている二次元コード等から呼び出されるDマークコンテンツとして、児童生徒の学習者用端末でもご利用いただくことが可能です。

ステップ5 教科書をカスタマイズして、身近な素材を教材化

算数や数学は、理科や社会に比べて地域による指導内容の差が少ない教科だと言われています。しかし一方で、抽象的な概念を扱うため、問題の場面をイメージできないことがつまづきの原因になってしまうこともあります。

例えば、3年生の「円と球」の単元の冒頭では、様々な「まるい形」の写真が掲載されていますが、それらはどれも、実際に子どもたちの学校にあるものとは違います。そんな時に、指導者用デジタル教科書の「MY教科書エディタ」機能を使うと、教科書の写真を先生や子どもたちが撮影した身近なものの写真に変えることができます。

【ICT教育のイマ】デジタル教科書のキソ・キホン③ 指導者用デジタル教科書の使い方(応用編)03

また、教科書に登場するキャラクターを身近な人に変えてみたり、教科書の図版を使ってワークシートを作って配付したり、授業後の板書の写真を取り込んで毎時間のふり返りができるようにしておいたりと、様々な使い方が可能です。

【ICT教育のイマ】デジタル教科書のキソ・キホン③ 指導者用デジタル教科書の使い方(応用編)04

教科書では、できるだけ全国どこでも使えるような一般的な素材や展開が紹介されていますが、実際に先生方の目の前にいる子どもたちは一人ひとり異なります。
ある程度指導者用デジタル教科書の使い方に慣れてきたら、是非、教科書の素材をカスタマイズして、オリジナルの教材を作成することにもチャレンジしてみてください。

 次回は、学習者用デジタル教科書についてご紹介いたします。

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>面積の求め方を考えよう

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