今週の算数・数学フォト
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- しきつめて、なまこ壁
そうたです。ここは岡山県の倉敷市。まるで、江戸時代みたいな街並みだ。「倉敷美観地区」と呼ばれているよ。白い壁が、きれいだなぁ。まさに、美観だね。
白く見えるのは、漆喰(しっくい)だよ。漆喰の白は、本当に美しいね。ここの建物の壁は、平らな瓦を漆喰で塗り固めて、いろいろな模様に作られているんだ。少し歩いて、もっと近くで見てみようよ。
へえ。こうやって見ると、ずいぶんたっぷりと漆喰が盛られているんだね。ぽってり盛り上がって、カマボコみたい。
こんもりだよね。こういう風に作られた壁は、「なまこ壁」と呼ばれているんだけど、それは、盛り上がりが海にいるナマコに似ているからなんだって。
そうたさん、こっちも見てみて。こんなふうに、正方形が縦も横も一直線にしきつめられた張り方は、「いも張り」というんだ。どうしてだと思う?
芋? サツマイモかな? 形も違うし、どういうことだろう。見当もつかないよ。
なんと、サツマイモの根っこが、こんなふうに規則的に生えるからなんだって。おもしろい由来だね。少しずらした、こんな張り方もあるよ。こちらは「馬乗り張り」。
さっきのいも張りを、1段おきに横にずらしたデザインだ。馬に人がまたがっている感じだね。いも張りよりは、イメージしやすい名前かもしれない。あっ。あっちには、ひし形みたいなデザインもあるよ。最初のいも張りを、45°回転させた形だね。
鋭いね! それは、「四半張り」というんだ。一直線、つまり180°の \(\dfrac{1}{4}\) が45°だから、「四半」というらしいよ。さて、ここまでは正方形の瓦がいろいろに並べられていたけど、なまこ壁に使う瓦には、こんな形もあるんだ。
ん? どこかで見たことがある。地図記号だったかな。銀行だったっけ?
さすが、そうたさん。これは、「分銅(ふんどう)」という形なんだ。江戸時代に今の銀行のような仕事をしていた「両替商」では、この分銅を使って、銀貨の重さを測っていたんだって。だから、銀行の地図記号になったんだね。
でもルーロー、この分銅をぴったりしきつめるのは、無理そうだ。隙間ができちゃうよ。どうやって、なまこ壁にするんだろう。
ふふふ。うまく並べられたら、お金持ちになれるかもしれないよ! この形で作った模様は「分銅つなぎ」といって、縁起がいいとされているんだ。がんばって。ヒントはね、「同じ向きに並べるとは限らない」!
うーん。分銅の形には、外向きの曲線と、内向きの曲線があるよね。……そうか、それを互い違いに合わせてみたらどうだろう? 縦・横・縦・横と、90°ずつ回転させて、しきつめるんだ。
いいね。大正解だよ!そうたさん。
*倉敷美観地区/岡山県倉敷市。蔵屋敷や柳の並木など、趣のある街並みが保存されている。
〒710-0054 岡山県倉敷市本町
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