はるかです。ここは、愛媛県の「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」。建物の形が、不思議です。あの黒い立体は、なんだろう?正六角形と正三角形……正方形も見えるね。うーん。正多面体では、ないよね。
「正多面体ではない」。うん、正しいよ!でも、どうしてそう思ったんだろう?
ええと、正多面体なら、すべての面が合同な正多角形になっているはずでしょう?でもこれは、異なる種類の多角形が組み合わさってできている。
すごいね。その通り。しかも目の付け所がいいよ、はるかさん。というのも、実はこの建物、正多面体と深い関係があるんだ。
この正四面体を見てみて。この模型の、それぞれの頂点部分を少しずつカットすると、どうなると思う?
あっ、正六角形と正三角形が見えてきた。黒い建物の一部と、同じ形!
*写真提供:エスエス大阪
ふふふふ、これが種明かし。こういう風に正多面体の頂点を切り取ってできる多面体を、「切頂多面体(せっちょうためんたい)」または「切頭多面体(せっとうためんたい)」というんだよ。今回は正四面体の頂点を切り取ったから、「切頂四面体」だね。
同じやり方で、立方体や正八面体の頂点を切り取っても、おもしろそうだな。伊東豊雄さんの頭の中には、こういうたくさんの知識やアイディアが、いったいどんなふうに整理されているんだろう……?
気になるところだね。さて、もう1つの建物にも、行かなくちゃ。元は伊東豊雄さんのご自宅で、東京都の中野区にあったんだって。建築の図面もたくさんあって、見られるようになっているよ。
わぁ、きれいなアーチ型。あの建物にも、やっぱり数学的な秘密がかくれているのかな。行ってみよう!
*今治市伊東豊雄建築ミュージアム/愛媛県今治市
〒794-1309 愛媛県今治市大三島町浦戸
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