今週の算数・数学フォト

2023.04.03

古代から、湧き続けた水

池上曽根史跡公園

ますりんと、大阪府和泉市・泉大津市の「池上曽根史跡公園」に来ています。弥生時代の遺跡なんだよね。そしてこの、すごく大きな建物。これ、「高床式」でしょう? 知ってるよ!

はるとさん、その通り。高床式だよ。屋根は茅葺になっているね。もちろん昔から残っているわけじゃなくて、復元された建物。「いずみの高殿(たかどの)」と名付けられているよ。

すごく大きいし、人が住みそうには見えないね。何に使われていたのかなぁ。なんだか、神社みたい。

おっ、いい線を行っているよ、はるとさん。まさに神殿のようなものだったと考えられているんだ。この大きな建物の柱は、26本。そのうち18本は、腐らずに発掘されたんだって。しかも、その太いヒノキの柱の中の1本は、起元前52年に切られた木だということもわかったんだ。

へえぇ!今が2023年だから、ええと、2070年以上も昔になるね。そんなに前のことなのに、木が切られた年までハッキリとわかるものなんだ!

発掘当時、大きなニュースになったんだよ。そしてね、その前にある小さな建物も、実はすごいんだ。

【今週の算数・数学フォト】古代から、湧き続けた水02

ドングリみたいな屋根の下に……あっ、ものすごく太い丸太が、くり抜かれているね。井戸かな?

大正解。クスノキの大きな木を、くり抜いた井戸だよ。これも、ここで発掘された井戸が、復元されたものなんだ。これが発掘当時の写真だよ。こんこんと、水が湧き出ていたんだって。

【今週の算数・数学フォト】古代から、湧き続けた水03

*写真:和泉市教育委員会提供

大人が4人、手を広げて囲んでる。それでも、まだ届かないくらいだね。大きな井戸だなぁ!

実はこの写真だけで、この井戸のだいたいの大きさを知ることができるよ。

あ、わかった!大人の腕の長さから、考えればいいんじゃないかな。そういえば、両手を広げたときの長さは、その人の身長くらいだと聞いたことがあるような……。

はるとさんは、物知りだなぁ。そう、両手を広げた長さは単位にもなっていて、「1ひろ(尋)」というんだ。明治時代には、1尋は約1.818mと定められたんだよ。

じゃあ、約1.818mを使って井戸の周囲を大まかに計算すると、
\(1.818\times 4=7.272\)
7.272mだね。さらに井戸の直径を求めるには、これを円周率で割ればいいから、
\(7.272\div 3.14=2.315…\)
およそ2.3mかな?

うん!計算もばっちり!この形の井戸を「くり抜き井戸」というんだけど、「やよいの大井戸」と名付けられたこの井戸は、日本で最大級のくり抜き井戸なんだ。2000年もの間、水が湧き続けていたなんて。まさに、古代のロマンだね。

*池上曽根史跡公園/大阪府和泉市・泉大津市

〒594-0083 大阪府和泉市池上町

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