今週の算数・数学フォト
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みさきです。奈良の「法隆寺」にやってきました。あれが、有名な「五重塔」だね。
法隆寺は、世界で一番古い、木造のたてものだよ。今の五重塔は7世紀後半から8世紀初めに建てられたといわれているから、約1300年も長持ちしているんだ。世界遺産にも登録されているよ。
上に行くにしたがってだんだん小さくなっていくのが、ここから見上げるとよくわかるよ。
確かに、だんだん小さくなっているよね。いい気づき! どのように小さくなっていくかを調べるには、それぞれの層の柱と柱の間の長さを比べるといいよ。一番下の初層をもとにして、一番上の五層の長さの割合を求めるんだ。図面をみると、初層は21.175尺、五層は10.65尺だね。ちなみに、尺は昔の長さの単位で、1尺はだいたい30.3㎝なんだけど、せっかくだから尺で表した長さのままで調べてみよう。
ええと、くらべられる量を、もとにする量で割れば、求めることができるんだよね。
\(10.65 \div 21.175=0.502\) …… うん。だいたい半分だね。
この割合を、難しい言葉で逓減率(ていげんりつ)というよ。日本には五重塔がいくつもあるけど、法隆寺の五重塔は、中でも逓減率がとても小さいんだ。安定感のある、美しい形に見える秘密だね。たとえば逓減率が0.7くらいなら、もっとすらりとした形に見えるよ。
こんなに大きな建物が、こんなに素晴らしい割合で、千年以上も昔に建てられたなんて。なんだか、とほうもなく不思議な気持ち。あれ? でもますりん、ここまでいっしょうけんめい考えてきたけど、そもそもこれ五重塔じゃないよね。よく数えてみたら、屋根は六枚だよ。六重塔?!
一番下の屋根は「裳階(もこし)」といって、建物を雨や風から守るために後からつけられたと言われているんだ。飾りの意味もあったらしいよ。逓減率を考えるときには、この部分は考えないんだ。
*法隆寺/奈良県生駒郡。斑鳩寺ともいわれる。
〒636-0115 奈良県生駒郡斑鳩町
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