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中学校
2023.12.12
【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践㊳～デジタル教科書／操作編（3年 三平方の定理と円）～
相模原市立相武台中学校
加藤光顕先生
今回は、3年円と三平方の定理の学習で活用したデジタル教科書の有効な方法をご紹介します。
①デジタル上でもパズル操作を体現できる
□単元：7章 三平方の定理 □内容：p.185 三平方の定理の導入 □学年：中学3年
教科書p.185からは、有名な三平方の定理が始まります。教科書上で見出しとなっているふき出し内にもあるように、このページでは正方形の面積を利用して三平方の定理を確認します。パズル感覚で考えられるので、どの生徒も抵抗なく取り組むことができるでしょう。このページに関しては、p.273の（ア）～（オ）の型紙が切り離せるようになっており、個々に学習することもできます。また、シミュレーション機能を使うことで、デジタル上でも同じことができます。端末にタッチパネル機能があれば、マウスがなくても画面に触れながら図形を動かすことができ、赤い円が表示されている部分に触れると図形を回転させることもできます。何度も初めからやり直しができるので、共有する際にとても有効なツールとなることでしょう。
②証明に必要な材料を見つけ出す手法を学ぶ
□単元：6章 円 □内容：p.180 円と交わる直線でできる図形の証明 □学年：中学3年
ここでは、円の中につくられる2つの三角形の相似を証明します。公立高校入試でもよく出題されるので、非常に重視されている問題と言えるでしょう。ポイントは、既習の円周角の定理を活用して三角形の相似条件を見つけ出すことです。
教科書p.180では、はじめに円の内部に点 \(\text{P}\) をとり、点 \(\text{P}\) で交差するような直線を2本ひき、2つの三角形をつくっています。三角形のつくり方は2通りあるので、スモールステップで段階を踏みつつ証明の流れを学んでいきます。最終的には、点 \(\text{P}\) を円外に置き、円外にできる2つの三角形についても相似となるのか生徒に考えさせます。この際にも、円周角の定理をどう活用するのか、つまり目的に応じて円周角と弧の関係を見つけ出すことが大切になります。
このような課題を考えさせるとき、私は生徒に必ず問題文をじっくりと読ませることにしています。「問題文からわかることは何か」「辺の比は書かれているか」「角しか使えないのか」「共通な角はあるのか」など、もし辺の比に関わる情報がなければ、相似条件は「2組の角がそれぞれ等しい」ことにほぼ間違いありません。それがわかれば、対応する2組の角を探すことが次のステップとなります。しかし、その角を見つけ出すのが苦手な生徒もいます。また、図が複雑になればなるほど、難しくなります。そういうときは、生徒に三角形の角をつくっている線分をなぞらせたり、マーカーなどで色をつけさせたりさせます。線分は円周にぶつかることが多いので、共通の弧を見つけやすくできるのです。
デジタル教科書のシミュレーションを用いると、その練習をすることができます。赤丸のついた点は自由に動かせるので、さまざまな角や三角形をつくることができます。これらのデジタルコンテンツを使えば、たくさんの類題を一度に確認することができて、非常に便利です。証明問題を解かせる前に、まずは証明に必要な材料（ここでは円周角）を見つける手法を学び、たくさん練習することが、問題を解けるようになる近道となるはずです。
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