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中学校

2023.12.14

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践㊴ ~スプレッドシート/操作編(2年 データの比較)~

相模原市立相武台中学校
加藤光顕先生

 今回は、2年で学習するデータの比較の実践で活用したスプレッドシートの有効な方法をご紹介します。

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践㉘ ~スプレッドシート/操作編(2年 データの比較)~01

①スプレッドシートを活用し、四分位数とデータの概要を把握する

□単元:7章 データの比較  □内容:p.181、p.182 四分位範囲  □学年:中学2年

 次の課題は、スナック菓子の販売データから四分位数等を求める導入の問題です。

課題1

スナック菓子の「花見期間」の平日と休日、「直前期間」の平日と休日の販売数の傾向を比較してみましょう。次の表は、スナック菓子の花見期間(平日)のデータを小さい順に並べたものである。
表をもとにしてスナック菓子の花見期間(平日)のデータをもとにして、四分位数を求め、箱ひげ図を完成させよう。

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践㉘ ~スプレッドシート/操作編(2年 データの比較)~02
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 この課題は、教科書p.181では例題として扱われていますが、私は、四分位数や箱ひげ図を確認した後に穴うめ形式で生徒に考えてもらうようにしました。必要に応じて、教科書を見ても構わないようにしました。すると、実際に最初に取り組ませたクラスでは、混乱する生徒が非常に多かったことに驚きました。混乱した原因を生徒に聞いてみると、次の2つのことがわかりました。

①四分位数という初めて習う言葉に馴染みがなく、さらに第1、第2、第3と紛らわしい
②教科書のデータは、5列になっていて、それぞれの区間で中央の値を考えるのが難しい

 上記のことがわかったので、次のクラスで授業を行う前に、急きょスプレッドシートでデータを整理したものを生徒に配付し、それを参考に考えさせました。

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 スプレッドシートでデータを横一列に並べることで、まず四分位数の値が視覚的にとらえやすくなります。また、四分位数の両側にデータの個数がわかるように数値も入れることで、その値がそれぞれの区間の中央値になる理由も一目瞭然です。生徒にこのスプレッドシートを配付(割り当て)したことで、多くの生徒が四分位数の求め方を理解し、自ら納得して進めることができました。

②スプレッドシートを活用し、四分位数と箱ひげ図の関係を把握する

 次の課題2では、スナック菓子の他の期間の四分位数と箱ひげ図の関係を考えさせました。課題1の復習と同時に、今度は、箱ひげ図をかかせることがねらいです。ここでもスプレッドシートを活用することで、横一列に並べたデータから箱ひげ図をそのままの形で表すことができるので、とてもわかりやすかったそうです。

課題2

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(1)上のデータをもとにして、表を完成させなさい。また、四分位範囲を求めなさい。

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(2)(1)の表をもとに、箱ひげ図を下の図にかき入れなさい。またこの図から、どんなことが読み取れるか書きなさい。

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③まとめ

 箱ひげ図は、導入されてから間もない内容であるため、先生方も指導方法で悩むことがあるのではないでしょうか。私は、まずは生徒が苦手意識を持たないように、生徒が自ら考えて納得して進めることができる環境を整えることが重要だと思います。今回は教科書を補う形でスプレッドシートを使って補助教材を作成しました。
 令和5年度の神奈川県公立高校学力検査には、初めて箱ひげ図の問題が出題されました。情報化社会において、データの分析、比較、活用は、これからますます大切になると考えます。

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