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小学校

2022.05.25

【ICT教育のイマ】ICT活用方法の紹介

利府町立菅谷台小学校
佐竹雅洋先生

 学校における1人1台端末環境の整備が進み、利府町では、令和3年1月にiPadが全児童に配付されました。本校では、全職員でICT研修を行い、互いの実践についての情報を共有しながら、積極的な利活用を図っています。本校の小学校算数科におけるICT活用方法の一部を紹介します。

その1 「導入(つかむ)」での活用

 既習の考えを生かしていく算数科の学習では、前時の学習をふり返り、本時の課題解決への見通しをもつことが大切だと考えます。そのために、ふり返る目的に合わせて「児童のノート」「板書」「教師用デジタル教科書」「タブレットドリルの解説動画」などを大型テレビに映し、本時の課題解決への意識付けを行っています。要点を絞りながら繰り返し実践してきたことで、「今日は、この考え方を使って解くのだな!」「あの考え方を上手に使えないかな?」など、学習への見通しをもつ児童の姿を見ることができるようになりました。

【ICT教育のイマ】ICT活用方法の紹介01
☝「教師用デジタル教科書」の活用
→ クイズのように学習のキーワードをふり返ることができます。
【ICT教育のイマ】ICT活用方法の紹介02
☝「タブレットドリルの解説動画」の活用
→ 動画で学習のポイントをふり返ることができます。

その2 「展開①(考える)」での活用

 児童が自力解決を図る際には、トライ&エラーを繰り返しながら思考を整理していくことが大切だと考えます。そこで、いきなりノートに書くことに抵抗を感じている児童でも、「miyagiTouch」(電子黒板アプリ)を活用することで、気軽にトライ&エラーができるようにしています。「miyagiTouch」は、アプリの起動時はホワイトボードの画面になっています。児童は、そこに自由に書いたり消したりしながら考えを整理していきます。文字を書く、画像を読み込む、写真を撮影して取り込むなど、必要な機能が分かりやすくアイコンで表示されているため、児童でも直感的に操作ができます。画面の保存と呼び出しも可能です。「ノートに考えを書く前に、『miyagiTouch』で考えをメモしたり、整理したりしてもいいですよ。」と指示を出すと、iPadを用いて考えを書き始める児童の姿を見ることができます。

【ICT教育のイマ】ICT活用方法の紹介03
☝「ホワイトボード」としての活用
→ 自分の考えをメモしたり、書きながら整理したりすることができます。
【ICT教育のイマ】ICT活用方法の紹介04
☝「画像の読み込み」機能の活用
→ 読み込んだ画像に書き込みながら考えを整理することができます。

その3 「展開②(広げる・深める)」での活用

 児童の考えを共有し集団で解決を図る際にも、「miyagiTouch」を活用しています。撮影した資料や児童のノートを大型テレビに提示し、電子黒板として書き込みながら児童が説明をしたり、児童の発表の後に教師が問い返しを行ったりしています。書き込みながら説明できるので、話し手の思考の過程が伝わりやすく、考えを共有する場面でとても有効に働きます。また、教師が書き込みを加えることで、学習の大切な部分を強調することもできます。全校児童に行った意識調査の「タブレットやテレビ等を使って友達の考え(発表)を聞くと、友達の考えがわかりやすくなりますか。」という問いには、約95%(249名/262名)の児童が、「とてもそう思う」「わりとそう思う」と、肯定的な回答をしました。

【ICT教育のイマ】ICT活用方法の紹介05
☝「児童のノートを撮影」しての活用
→ 大型テレビに提示することで、考えの共有を図りやすくなります。
【ICT教育のイマ】ICT活用方法の紹介06
☝「考えを書き込みながらの説明」に活用
→ 書き込みながら説明をすることで、思考の過程が共有され、全体で考えを深めることにつながります。

その4 「終末(まとめる)」での活用

 1単位時間の児童の学びや変容は、適用問題に取り組むだけでなく、児童が自分の言葉でふり返りを行うことで自覚化できると考えます。そこで、ふり返りの際に、「Padlet」(オンライン掲示板)を活用しています。「Padlet」は、オンライン上で使えるツールで、文字を書いたり画像(動画)を貼り付けたりできます。一人一人が投稿を更新すると即時に反映され、友達とふり返りを共有することができます。また、単元を通して一つのボード(下の写真は「ウォール」)を使用した場合には、児童がノートの写真を添付することで、単元の学習の1時間ごとの足跡を確認することもできます。教師の準備は、予めボードを作成し、「Google Classroom」で学級の児童にURLを知らせることだけです。「Padlet」を活用してふり返りを行うようになってからは、楽しみながらふり返りを行う児童の姿を見ることができるようになりました。

 他にもいろいろな機能や活用方法があるため、他教科の学習や学級経営、校内研修でも活用しています。

【ICT教育のイマ】ICT活用方法の紹介07

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