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中学校
2022.03.18
【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践① ~Google Meet・ストリーム(Google Classroom)/教材工夫編~
相模原市立相武台中学校
教諭 加藤光顕先生
今回は、ちょっとした授業のひと工夫として、実践を2つご紹介します。
①導入で生徒の意欲を惹きつける教材を使う
□単元:1章 正負の数 □時間:1時間目【導入の場面】 □学年:中学1年生
導入で、オリンピックの映像「アルペンスキー(タイムを競う競技)」を、クロームブックを通して見せます。そして、タイムで何度も表示される緑色の数字や赤色の数字に注目させます。「この数字は何を表しているのか」という観点から発問することで、生徒はその競技性から想起させて数字の意味に繋げて考えることできます。
②教材から考える発問例
- 「+0.03」や「-0.18」は何を表している?
⇒プラスとマイナスが日常で使われていることを実感する。 - 「0.00」だったらどういうこと?
⇒同じタイム、差がない。基準として考えることを実感する。 - 前の選手とどうやって比べているの?
⇒比較して考えるために、プラスとマイナスがあることを実感する。
このように実例を使った教材を見せることで、プラスとマイナスの特徴を理解し、比較して考えることの便利さ(良さ)を実感させることができます。
③補助教材を提示する
□単元:5章 平面図形 □時間:章末の授業【活用の場面】 □学年:中学1年生
教科書p.182、p.183にオリンピックエンブレムの作図の課題があります。この課題を通して、ひし形の組み合わせによって美しいデザインができることを知るとともに、図形の良さを理解することや今までの作図方法の振り返りにもなります。
しかし、図形に苦手意識のある子は、図形のイメージができず、作図に取りかかれない生徒も何人かいます。そういう生徒には、下記のように、まずはGoogleスライドを使って、3種類のひし形を動かしてパズルのように組み合わせることができる補助教材を用意しました。それを通して、図形の概要を把握させると、作図にもスムーズに移ることができました。また、Google Meetの画面共有で生徒に提示することも効果的です。
④まとめ
③の補助教材は、もしクロームブックがなければ、おそらく紙とはさみで同様の教材を用意していたと思います。その場合、生徒はパズルを作ることから始めなければならず、時間がかかります。作業に時間がかかる生徒は、それだけで授業の多くの時間を費やしてしまいます。ゴミも出ます。切ることに苦戦する子もいるかもしれません。これでは授業のねらいからはずれてしまいます。
「ねらいに沿った活動に多くの時間を割きたい」というのが多くの先生方の願いではないでしょうか。しかし、授業を振り返ると、「思考させた活動時間は、一体の何分間だったのか」「作業だけで授業が終わってしまった…」「こちらが伝えるばかりで生徒自身に考えさせる時間がなかった…」という反省の日々を送ることも少なくないはずです。それを可能にしてくれるツールこそがクロームブックだと思います。
これからもこのような視点を大切に、生徒の学びを支援し、広げ、深めるための実践例を紹介していきます。
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