今日の授業のひと工夫(小中学校)

中学校

2023.12.15

【3年6章】
円外の点からその円の接線への作図を考えてみよう

「新しい数学」3年6章p.178では、円外の点から円への接線を作図する方法を考え、その方法を説明します。作図方法を一方的にあたえるのではなく、作図のためには何がわかればよいか、そのためにはどうしたらよいかを、順に考えるような展開にしています。

【今日の授業のひと工夫】【3年6章】円外の点からその円の接線への作図を考えてみよう01
▲新しい数学3 p.178

点\(\text{A}\) と円\(\text{O}\) のみをあたえても、すぐに作図の糸口を見いだすことは簡単ではありません。そこで、ひろとさんの吹き出しや❶のように「接線がひけたとしたら、何がいえるか」と問いながら、接線の作図に含まれる点や線、または接線と半径のなす角(直角)を図にかき込ませ、考えるきっかけにしたいですね。

【今日の授業のひと工夫】【3年6章】円外の点からその円の接線への作図を考えてみよう02
▲新しい数学3 p.178

❷では、\(\angle \text{APO}\) と \(\angle \text{AP´O}\) が直角であることを確認し、それをもとにp.173の直径と円周角の定理が活用できそうだと、見通しをたてられるようにしたいですね。

【今日の授業のひと工夫】【3年6章】円外の点からその円の接線への作図を考えてみよう03
▲新しい数学3 p.173

また、p.175の「学びをふり返ろう」を確認してもよいでしょう。円は「角を一定にする点の集まり」という見方をすることで、この問題で角の条件をみたす点を作図するために円周角の性質を使う意味が伝わりやすくなるでしょう。

【今日の授業のひと工夫】【3年6章】円外の点からその円の接線への作図を考えてみよう04
▲新しい数学3 p.175

このような円外の1点からその円にむかってひいた接線を、身のまわりの問題解決で利用できる場面は多くありません。p.201では、「富士山の山頂はどれくらい遠くから見えるか」考えるという具体的な場面で利用しています。三平方の定理の学習と関連して、ぜひ扱ってみてください。

【今日の授業のひと工夫】【3年6章】円外の点からその円の接線への作図を考えてみよう05
▲新しい数学3 p.201

1年のときは、線分の垂直二等分線上の点は線分の両端の2点から等距離であることや、角の二等分線上の点は角をつくる辺までの距離が等しいという性質を利用して、条件をみたす点を作図してきました(1年p.172問7、p.175例1)。1年では、「距離に着目した」条件の作図を行っていましたが、円周角の定理を学ぶことで「角に着目した」条件の作図を行えるようになったと見ることもできます。

【今日の授業のひと工夫】【3年6章】円外の点からその円の接線への作図を考えてみよう06
▲新しい数学1 p.172 問7
【今日の授業のひと工夫】【3年6章】円外の点からその円の接線への作図を考えてみよう07
▲新しい数学1 p.175 例1、問2

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