昨年と同様に,各大問の得点率および各問題の正答率に着目して傾向を分析します。
『数学Ⅰ,数学A』
得点率は以下のようになっています。
第1問 54%(集合と論証,図形と計量)
第2問 57%(2次関数,データの分析)
第3問 32%(図形の性質)
第4問 37%(場合の数と確率)
第2問は昨年と同様,〔1〕2次関数(2:ア~セ),〔2〕データの分析(2:ソ~ナ)というセットでした。今年の2次関数は,太郎さんと花子さんの会話が導入のみとなり,題材も純粋な数学の内容であったためか〔1〕の得点率は62%と高い結果になりました。
〔2〕においては「外れ値」(2:チーツ)の正答率の低さ(22%)が目立ちます。この問題では,「外れ値かどうかを判断する2つの値の差は四分位範囲の4個分に相当する」ことを用います。多くの生徒が,このような見方や問われ方をしたことが無く,戸惑ったと推測されます。
一方,最も得点率が低かった大問は第3問(図形の性質)でした。正答率は最初の設問(3:ア)が76%で,そこから右肩下がりです。すなわち4人に1人は“手付かず”であったと考えられ,まず条件から立体図形をイメージするのにつまずいてしまったと察せられます。
『数学Ⅱ,数学B,数学C』
得点率は以下のようになっています。
第1問 56%(図形と方程式)
第2問 50%(三角関数)
第3問 62%(微分と積分)
第4問 51%(数列)
第5問 45%(統計的な推測)
第6問 56%(ベクトル)
第7問 57%(平面上の曲線,複素数平面)
第5問(統計的な推測)の得点率が,昨年と同様,他の選択問題より10%前後低い結果となりました。これは,第5問を選択した生徒に文系が多いためと考えられます。
第5問のグラフで目立つのは,前半の2か所の落ち込みです。
ひとつめの「正規分布を標準化して割合を求める」(5:イ,正答率43%)問題は教科書の例題にもありますが,本問では正規分布表の自発的な利用が求められます。昨年も正規分布表を利用する問題は正答率が低く,受験生の弱点のひとつとして浮かび上がっています。
ふたつめの「標本平均の分散」(5:オ,正答率32%)は,恐らく,標準化でよく用いる「標本平均の標準偏差は母標準偏差の \(\cfrac{1}{\sqrt n}\) 倍」と混同したのではないかと推測されます。ここで問われているのは分散ですので,母分散の \(\cfrac{1}{n}\) 倍です。
詳しい内容は,以下の文部科学省のWebサイトをご覧ください。
※グラフの引用元
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