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高校

2025.09.18

自学自習のペースメーカーに(NEW ACTION FRONTIER)

 「使用実践例」は,全国の高校の先生から,教科書・教材の実際の活用のご様子を紹介していただく企画です
 今回は,参考書『NEW ACTION FRONTIER』シリーズについて,岡井先生にお伺いしました。

雲雀丘学園中・高等学校
岡井 裕之介 先生

ご勤務校について教えてください。

 本校は,一貫探究コース(中学校の入学生)が約160名,文理探究コース(高等学校の入学生)が約120名,1学年約300人の中高一貫校です。私が担任をしている一貫探究コースは,6年一貫で,メンバーが変わらず,成績で学力別のクラスを作成しないため,幅広い学力の生徒が各クラスにいます。また,定期考査は平均が60点くらいになるような難易度に設定しています。『NEW ACTION FRONTIER』(以下”フロンティア”)は,両コースとも全員に購入させています。

なぜ本教材を採用されたのですか?

 以前から,ただ問題を解くだけでなく,思考のプロセスを学ぶことで,生徒に考える力をつけることができると考え,全員に参考書『NEW ACTION LEGEND』を購入させていましたが,扱いが学年,コース,教員によって差がある状況でした。教科全体で指導レベルの目線を合わせるという目的で,フロンティアの方が,量や難易度が本校に合っていると判断し,採用しました。
 教科では,類題も含めて,どの問題の考え方を授業で扱ったかという情報を共有するようにしています。また,現在の高校1年生からLibryを導入して,自分の学習状況を記録し,自主学習に役立てていくように指示しています。

本教材をどのように活用されていますか?

【課題作成について】

 本校一貫探究コースは,中学3年生から先取りで数学Ⅰ,Aの内容を進めています。私が担任している70期生(現高校1年生)では,部活動が一段落つく中学3年生の夏休み前に配布し,2学期から本格的に使用を始めました。先取りで進める分,繰り返し取り組んでほしいと思い,普段の授業の内容とは別立てで範囲を定め,課題としています。
 本校では,高校1年生から進研模試,全統模試を全員受験します。この2つの模試を目安に模試までに2周する機会を生徒に与えることができるように,下の表のような計画を立てています。

自学自習のペースメーカーに(NEW ACTION FRONTIER)01

 1周目は青例題+重要例題(青例題は教科書レベルの例題,重要例題はテストでよく出題される内容の例題),2周目は重要例題+黒例題(黒例題は教科書の範囲外や入試レベルの例題)を推奨課題として問題数を数えて計画を立てていますが,各自の習熟度に合わせて取り組む問題を変えてもよいとしています。フロンティアには「問題編」や「定期テスト攻略」,「入試攻略」など多様なレベルの問題があるため,生徒それぞれのレベルで繰り返し取り組むことができると思います。

【課題の確認について】

 ノートの提出と定期的な授業内のテストで,取り組み状況の確認をしています。大学受験を見据え,自学自習のペースメーカーとなることを目的としているため,生徒の課題に対する温度差はありますが,テスト返却後に確認する振り返りシートをもとに,学習習慣がつくように声かけをしています。

 テストは成績にいれないこと,自分のできるところとできないところをはっきりさせ,成長度合いを測ることが目的と伝えて実施しています。テストにはフロンティアの問題をそのまま使った問題を一部いれており,普段の学習が身につく学習になっているかを確認しています。2周目のテストでは,1周目の正答率が悪かった問題を中心に難易度の高い問題をだすなど,成績にいれないので,自由に作成しています。

 また,課題をこなすことが目的にならないように,テストを通して生徒が苦手な問題を把握することで,講習の教材作りなどに反映しています。

ご使用された感想や,生徒の反応などはいかがでしたか?

【生徒の反応】

 配布したときは,厚さに圧倒されていましたが,意識の高い生徒は1周目から問題編にも取り組むなど,自分で高いレベルを設定して取り組んでくれています。一方で,Libryを活用し,記録をつけていく中で,自分のできない問題を減らしていくことをモチベーションに取り組んでいる生徒もいます。

【教員の感想】

 本校の一貫探究コースでは,校内での順位に満足する生徒が出てくるなど,環境に慣れてしまうことが課題だと感じていました。そのため,多様な難易度の問題があり,繰り返し取り組むことができるフロンティアを使用し,成績に入れないテストを作ることで,より高いレベルを目指して取り組む生徒がでてきていると感じています。フロンティアと同じ問題をテストで出した際に,私の想像以上にできないことが多いため,暗記では限界があることを伝えるなど,普段の取り組み方の指導の参考になっています。

岡井先生,ありがとうございました!

※参考書『NEW ACTION FRONTIER』シリーズの詳細は,こちらをご覧ください。

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