算数・数学フォト

2024.07.22

鹿児島ウナギの今と未来

大隅地区養まん漁業協同組合

あみです。鹿児島県の大隅半島です。大きな温室が、ずらりと並んでいるよ。ますりん、ここは何の畑かな。鹿児島で有名なのは、サツマイモだったっけ?

うふふふ。なんと、この建物の中には畑じゃなくてプールがあるんだ。ウナギの養殖場だよ。

作物じゃなくて、魚が育っているんだね! ウナギといえば、浜名湖だと思ってた。

さすがあみさん、よく知っているね。浜名湖は、ウナギ養殖発祥の地。浜名湖のある静岡県は、ウナギの生産量では1980年代まで日本一だったんだ。その後は愛知県がトップに代わり、鹿児島県が愛知県を抜いて1位になったのが1998年。今も、全国のウナギの約4割は鹿児島県産だよ。

へえぇ。まさにこの場所が、ウナギ生産量第1位の現場なんだ!

トップ4は鹿児島県・愛知県・静岡県・宮崎県。この4県の、2011年以降の養殖ウナギ収穫量のグラフを見てみようか。

【今週の算数・数学フォト】鹿児島ウナギの今と未来02

日本養鰻漁業協同組合連合会HPのデータを基に作成

4つの県の順位は、ずっと変わらないね。折れ線グラフの水色が鹿児島県で、オレンジ色が愛知県だけど、上がったり下がったりの動きが似てる。

あみさん、いいところに気づいたね。今のウナギは、「シラスウナギ」と呼ばれる小さなウナギを捕まえて育てる方法で養殖されているんだ。シラスウナギがたくさん捕れれば生産量が増えるし、捕れなければ減ってしまう。

あれ? そういえば、ウナギは絶滅危惧種だって、ニュースで聞いたような気がするけど。

そうなんだよ。ニホンウナギが絶滅危惧種に指定されたのは、2014年。近頃はシラスウナギが捕れなくなってきて、ウナギ養殖はピンチなんだ。このグラフも見てみて。「ニホンウナギ稚魚」というのは、もちろんシラスウナギのこと。「池入数量」は、シラスウナギを養殖池に入れる量だと考えればいいよ。

【今週の算数・数学フォト】鹿児島ウナギの今と未来03

水産庁「ウナギをめぐる状況と対策について」(令和5年12月)を基に作成

シラスウナギの量が棒グラフ、その1kgあたりの値段が折れ線グラフになっているんだね。棒グラフが高いときは折れ線グラフが低くて、棒グラフが低いときは折れ線グラフが高くなってる。上がり下がりが逆になっているみたい。

あみさん、よく気づきました! シラスウナギが少なくなると、値段が上がってしまうんだね。ところで、このグラフで最も低い値段と最も高い値段は、それぞれどうなっているかな。

ええと、値段が一番低いのはグラフの最初の2003年だね。1kgが16万円だよ。一番高くなっているのは2018年で、このときは1kgが299万円。えっ、15年で約19倍になっちゃったの?!

シラスウナギが減っている上に値段も高くなりすぎて、近頃のウナギは、なかなか気軽に食べられないよね。今はウナギを卵からかえして育てる「完全養殖」の研究が進んでいるから、実現を楽しみに待ちたいね。

うな丼やうな重、もっとどんどん食べられるようになるといいな!

【今週の算数・数学フォト】鹿児島ウナギの今と未来04

*大隅地区養まん漁業協同組合/鹿児島県鹿屋市。1972年設立。大隅地区で養殖業を営む組合員が育てたウナギの販売、白焼・蒲焼への加工などの事業を行う。

〒893-1604 鹿児島県鹿屋市串良町下小原2313−1

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