算数・数学フォト

2024.03.04

ひな人形のピラミッド

鴻巣びっくりひな祭り

そうたです。ここは、埼玉県鴻巣市。「鴻巣びっくりひな祭り」の会場にやってきました。大きなピラミッドのどこを見ても、ひな人形、ひな人形……ひな人形が、ぎっしり! こんな飾り方、見たことがないよ。

鴻巣は、江戸時代のころから、ひな人形作りで有名なんだよ。「鴻巣びっくりひな祭り」は2005年から開かれていて、今年でちょうど20回目。使われなくなったひな人形を募集して、こんなふうにダイナミックに飾っているんだ。このひな壇は31段、高さは7mもあるんだって。

びっしり並んだひな人形、全部でいくつくらいあるんだろう。よく見てみると、上から1段ごとに1つ、2つと数が増えているみたいだけど。

そうだ、まずは観察だね。さすが、そうたさん。まず、三角形のひな段は全部で4面あるね。てっぺんの2段には人形が1つずつ置かれていて、3段目からだんだん幅が広くなっていく。一番下の段には御所車や飾り物が並んでいるから、3段目から30段目までの28段分が計算できるといいんじゃないかな。

つまり、「\(1+2+3+4+5 \cdots\)」と足していって、
「\(1+2+3+\cdots +28\)」までだ!うーん。少し面倒だし、途中で間違えそう。何か工夫はできないかな。

たとえば、どんな工夫?

ええとええと……そうだ! ピラミッドは三角形の面でできているから、三角形の面積を求める方法を使うのはどうかな。まずは、5段目までの
\(\quad \quad \quad 1+2+3+4+5\)
を考えてみるね。1段に1つずつ増えるひな人形は、こんな風に並んでいるから

【今週の算数・数学フォト】ひな人形のピラミッド02

ここで、ひと工夫。同じ三角形をひっくり返して横に並べて、平行四辺形として考えるんだ。

【今週の算数・数学フォト】ひな人形のピラミッド03

こうすれば、1から5までの和は
\(\quad \quad \quad 6 \times 5 \div 2=15\)
と求められるよ。

なるほど、面積の考え方か。やるね!

しかもこれは、公式にもできそうだ。1から \(x\) までの自然数の和は、さっきと同じように考えるとこうなるよ。
\(\quad \quad \quad (x+1)\times x \div 2\) で
\(\quad \quad \quad \dfrac{x(x+1)}{2}\)

【今週の算数・数学フォト】ひな人形のピラミッド04

つまり1から28までの和は、
\(\quad \quad \quad \dfrac{(28+1)\times 28}{2}=406\)
これに上の2段分を足したものが4面あるわけだから
\(\quad \quad \quad (406+2)\times 4=1632\)
全部で1600体以上の人形があるということになる。

すごいよ、そうたさん。ちなみに去年このピラミッドに並んだ人形の数は、1526体だったんだって。途中の段にもお飾りが置いてあるし、だいたい正解と考えていいと思うよ!

1500体以上のひな人形か。あらためて、ものすごい数だね。

しかも、会場はここだけじゃないんだ。今年は市内5カ所のサテライト会場と、4カ所の展示会場でも、いろいろなひな人形が飾られているよ。鴻巣駅の近くにある産業観光館「ひなの里」には、「鴻巣雛」の歴史がわかる展示もあるみたい。

あれ? サテライト会場「ひなの里」の住所は、「鴻巣市人形」だって。町の名前が、人形なんだ。

まさに人形作りの中心だった町で、人形店もたくさんあるんだ。そっちの展示も、見てみようか!

*鴻巣びっくりひな祭り/埼玉県鴻巣市。メイン会場は、ショッピングモール「エルミこうのす」。2024年の会期は3月9日まで。

〒365-0038 埼玉県鴻巣市本町

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