今週の算数・数学フォト
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- はるかに遠く見える道
りくです。神奈川県の、鎌倉に来ています。あの鳥居のずっと先に、鶴岡八幡宮があるんだね。
そう、あそこに見えているのが「二の鳥居」。ここから境内の入り口にあたる「三の鳥居」まで、八幡宮にお参りするための参道になっているんだ。さっそく行ってみよう。
あっ、ますりん。この道、車道より高くなってるよ。なんだか大事にされている気分。
土と石を積み上げて、高く作ってあるんだ。使われている石の名前が「葛石(かずらいし)」だから、道の名前は「段葛(だんかずら)」というんだよ。
まっすぐな道が、どこまでも続くね。長さは、どのくらいなのかな。
今の段葛は、500m。でも昔は由比ヶ浜にある「一の鳥居」まで続いていて、1300mの長さがあったんだ。1180年に源頼朝が鎌倉に来て、最初に作った「若宮大路」という道が元になっているんだよ。この道から、町づくりを始めたんだね。明治時代に横須賀線が通ることになって、今の部分だけが残ったんだ。
へえぇ、鎌倉時代! なんと、800年以上の歴史がある道だったんだね。話している間に、やっと三の鳥居が見えてきたけど……あれ? 気のせいかな。道の幅が、狭くなってきているみたい。まさかね。
さすがりくさん。よく気づいたね。実は、わざと狭くなるように作られているんだ。
えええええ。なんだ、それ! 道幅を計ってみなくちゃ。
おっ、それはいいね。やってみよう。距離を測るなら、スマホのアプリを使うと便利じゃないかな。
なるほど。じゃあまず、ここ、三の鳥居の前の道幅を測っておくよ。2m84cmだ。次に、二の鳥居まで戻りながら……真ん中あたりの道幅も、計っておくとよさそうだね。よし、測れた。
二の鳥居近くの幅は 4m91cm
真ん中あたりの幅は 3m85cm
三の鳥居の前の幅は 2m84cm
こんなに細くなっていたんだ! これほどとは思わなかったよ。どうしてだろう?
さっき鎌倉に着いて、初めて二の鳥居から向こうを見たときの気持ちを覚えてるかな? それがヒントだよ。
ええと、どうだったっけ? まっすぐな道がずっと続いて、すごく遠そうだなって思った気がする。
それが、遠近法のトリックなんだ。どこまでも続く平行線をまっすぐに見ると、1点に集まっていくように見えるでしょう? 道は普通、平行に作られているから、台形みたいに細くなっていく道を見ても、まさか台形だとは思わない。それほど長く続く道だと、目が錯覚してしまうんだ。敵が攻めてきたときに、実際よりも遠く見せて、混乱させるためだとも言われているよ。
(段葛を台形ととらえたイメージ図/実際の縮尺とは違います)
うわぁ、そんなことまで考えて、この町を作ったんだ。すごいな、源頼朝さん!
*段葛/神奈川県鎌倉市。源頼朝が1182年に夫人・北条政子の安産を願って築いたとされる。
*【やってみよう】
まっすぐな道と、細くなる道を紙にプリントして、この道に立っているつもりで、同じ場所から撮影してみると……?
〒248-0006 神奈川県鎌倉市小町
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