今週の算数・数学フォト
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- くす玉で、七夕飾り
ゆうなです。ここは宮城県の仙台市。有名な七夕まつりだよ。七夕といえば7月7日だと思っていたけど、ここの七夕は遅めだね。
そう。元は旧暦7月7日の行事として広まった七夕を、今の仙台では、昔の季節感に合わせて毎年8月に行なっているんだ。
それにしても、大きな飾り。今まで見てきた七夕飾りとは、スケールが違うよ。てっぺんには、大きな玉がついてる。
ゆうなさん、よく気づいてくれました!七夕かざりのくす玉は、仙台が発祥なんだ。戦後すぐの1946年、仙台空襲で焼け野原になった街で、あるお店の主人が庭のダリアの花を見て、くす玉をつけることを思いついたんだって。中身は竹カゴだよ。2つのカゴを合わせて球形にして、きれいに飾りつけていくんだ。
くす玉の飾りは仙台ならでは、だったんだね。大きさは決まっているのかな。
くす玉をつくる竹カゴの大きさは、5号から18号まであるよ。1号は1寸、つまり約3cmだから、5号なら直径が約15cm。一番大きな18号なら約54cmになるね。表面は、お花のパーツで埋め尽くすんだ。
へえぇ。あのキレイな模様は、お花を並べて作っているんだ。それにしても「埋め尽くす」って……表面積はどれくらい?
ええと、小さな5号サイズの半径は7.5cmだから、球の表面積 \(S\) は、半径を \(r\) とすると \(S=4\pi r^2\) だから
\(4\times 3.14\times 7.5\times 7.5=706.5\)(cm2)
手のひらサイズのカゴでも、表面積はけっこう大きいね。
バッチリだ。18号サイズだと、どうなっちゃうんだろうね?
5号のカゴでできた球と18号のカゴでできた球は相似な図形だから、ここは相似比で求めてみようかな!
5号の直径を15cm、18号の直径を54cmとすると、相似比は
15 : 54 = 5 : 18
これを面積比にするには、それぞれを2乗すればいいね。25 : 324 だ。
うーん、かなり大きい数字になりそう。5号カゴの球の表面積は706.5cm2だから、18号の球の表面積を \(x\) cm2とすると
706.5 : \(x\) = 25 : 324
電卓で計算してみると \(x=9156.24\)(cm2)
うわぁ。ほぼ1m2 になった。
そう。この約1m2を、お花で埋め尽くすんだね。花パーツの直径は5〜6cmくらいだけど、いくつくらいになりそう?
まかせて! 花パーツの直径は、間をとって5.5cmとするね。花を円と考えれば面積は \(S=\pi r^2\) で計算できて
\(3.14\times 2.75\times 2.75=23.745\)
およそ23.75cm2 になるね。
\(9156.24\div 23.75=385.5\)
およそ386個だ!
てっぺんのくす玉だけでも、たくさんの花を使うんだね。それに短冊、吹き流しなどの「七つ飾り」をつけて、さらに華やかに仕上げていくんだ。飾りのコンクールもあるから、みなさん何ヶ月もかけて手作りするそうだよ。中には、1本で数百万円もの費用をかけた豪華なものもあるとか……。
手間もお金も、熱い思いも、たっぷりかけた七夕飾りなんだね。ルーロー、どんどん歩いて、たくさん見て回ろうよ。
*写真提供:仙台七夕まつり協賛会
*仙台七夕まつり/宮城県仙台市で、毎年8月に開催。東北三大祭りの一つとされる。
〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町
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