今週の算数・数学フォト

2023.06.26

夕日をピタリとはめるには?

円月島

はるかです。ああ、海が真っ青! ここは和歌山県の白浜です。おもしろい形の岩が見えるね。きれいに穴が開いていて、向こうの空が見える。

ここ南紀白浜(なんきしらはま)のシンボルの一つ、「円月島(えんげつとう)」だよ。横の長さが約130mで、高さは約25m。穴が丸い月みたいに見えるから、円月島と呼ばれているんだ。波に削られてできた穴なんだって。

たしかに、月みたいに丸い穴だね。波の力ってすごいんだな。

春分や秋分のころ、ある決まった場所から岩を見ると、夕日が穴にピッタリはまって見えるんだ。こんな写真も撮れちゃう。このあたりから見て、円月島は太陽が沈む西の方角にあるからね。撮影ポイントには人がたくさん集まって、大にぎわいなんだって。

【今週の算数・数学フォト】夕日をピタリとはめるには?02

すごい! 私も撮りたいな。撮影ポイントって、どこ?

ふふふ。教えてもいいけど、せっかくだから推理してみる? ヒントは、五円玉。こう、腕を伸ばして五円玉を持ってみて。伸ばした腕の先の五円玉の穴を通して夕日を見ると、夕日が穴にピッタリ重なって見えるよ。
五円玉の穴の大きさと、目から五円玉までの距離の比を使うと、島から撮影場所までのおよその距離を求めることができるよ。

へえぇ、五円玉で? おもしろそう! まずは、五円玉の穴の大きさを測ってみるね。……直径は5mmだ。そして伸ばした腕の長さは、だいたい50cm。50cm離れた場所から見た夕日の見かけの大きさが5mmになるから、比は100:1だね。

【今週の算数・数学フォト】夕日をピタリとはめるには?03

さすがはるかさん、ばっちりだよ! じゃあ、次は円月島の穴について考えてみようか。円月島の穴は、直径が9mなんだ。この写真の画面を2本指でぐっと拡大して、穴の大きさが9cmになるようにしてみたら?

なるほど、タブレットの画面を大きさ比べに使うんだね!穴の直径が9cmになるように拡大すると……夕日の直径、つまり太陽の見かけの大きさは3.6cmになったよ。9mの穴の中に、3.6mの夕日が見えていると考えていいね。

【今週の算数・数学フォト】夕日をピタリとはめるには?04

やるね!それから?

夕日の見かけの大きさと距離との関係は、100:1だったよね。見かけの直径が3.6mということは、これを見ている場所と円月島との距離は、100倍の360mということになる。 地図を見てみよう!

【今週の算数・数学フォト】夕日をピタリとはめるには?06

*出典:国土地理院webサイト

おっ、国土地理院の「地理院地図」じゃないか。

夕日を見るんだから、撮影ポイントは円月島の東側だね。この地図でいうと、(高嶋)の後ろのカッコのあたりが、ちょうど360m地点になるよ。あっちだ……おおい、ルーロー。防波堤から、海岸に降りられる階段があったよ〜! ここから撮影すると、ちょうどいいんじゃないかな!

素晴らしいよ、はるかさん。あざやかな推理だ!

*円月島/和歌山県西牟婁郡。正式名称は「高嶋」。

〒649-2211 和歌山県

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