算数・数学フォト

2023.06.05

おいくら? 金のシャチホコ

名古屋城

ますりんと、愛知県の「名古屋城」にきています。いや、ホントに豪華なお城だよ。屋根の両端に、ピッカピカのお魚!

鯱(シャチホコ)だよ。体は魚だけど頭はなんと虎!という想像上の動物で、火事が起きたときには、水を吹き出して火を消してくれるという言い伝えもあるんだ。お城の守り神でもあるし、名古屋のシンボルでもあるんだよ。

シャチホコ……もしかして、海のシャチと関係があるのかな。

さすがはるとさん、よく知っているなぁ。シャチホコに似ているという理由で、海のシャチには「シャチ」という名前がついたんだ。そして、海のシャチと同じように、名古屋城のシャチホコにもオスとメスがいるよ。ここから見て右、北側のシャチホコがオスで、反対側の南側がメス。「伊吹おろし」と呼ばれる冷たい北風からメスを守るために、オスは北側にいるんだって。

へえぇ。でもここから見ても、遠くてよくわからないな。

近くで撮った写真があるよ。大きさや重さも、くわしく見てみようか。

【今週の算数・数学フォト】おいくら? 金のシャチホコ02
▲メス
【今週の算数・数学フォト】おいくら? 金のシャチホコ03
▲オス
【今週の算数・数学フォト】おいくら? 金のシャチホコ04

なるほど、オスの方が少し大きいんだね。口もメスより大きく開けてるみたい。それにしても、高さが約2.5mで重さは約1200kg?! 大人の背丈よりずっとずっと大きいし、重さはぼくの体重の30倍くらいある! もしかして、これ全部が本当に金でできているとか……まさか、そんなことはないよね?

はるとさん。そのまさかで、本当に全部が金でできているんだ。今のシャチホコは、1945年の空襲で焼けた天守閣が再建された1959年に作られたもので、2つ合わせて純度75%の18金が約88kg使われているよ。純金に換算すると、約66kg分だよ。大阪城や岡山城にも金のシャチホコがあるけど、実は瓦に金箔を貼って作られているんだ。名古屋城のシャチホコは、現在では全国でたった1つの、本物の「金のシャチホコ」だというわけ。

すごい! 買ったら、いくら?

ははははは。知りたいよね! 計算できるよ。たとえば、2023年4月24日現在の金1gの値段は、9455円だ。

2つのシャチホコに使われている金は、純金なら約66kg分だったよね。1kgは1000gだから、
\(9455\times 66\times 1000=624030000\)
つまり、一、十、百、千、万、十万、百万、千万、一億…
約6億2400万円!

ばっちり計算できたね。でも、驚くのはまだ早いよ。1612(慶長17)年に作られた初代のシャチホコには慶長小判で約1万7975両分、純金に換算すると約215.3kgの金が使われていた。今のシャチホコの3倍以上だね。

ちょっと待って!さっきと同じようにこっちも金額を計算すると、
\(9455\times 215.3\times 1000=2035661500\)
約20億円? シャチホコってすごい!

戦後に再建された今の名古屋城は鉄筋コンクリートで作られているんだけど、今、これを木造に復元する計画が進められているんだ。その事業費は、約500億円といわれているよ。

もう、何がなんだかわからないや。とにかく名古屋は、豪華だね!

*名古屋城/愛知県名古屋市。1610年に築城が開始し、以後明治維新までの約260年に渡り尾張徳川家の居城として栄える。1952年、国の特別史跡に指定された。

〒460-0031 愛知県名古屋市中区本丸

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