今週の算数・数学フォト

2023.05.29

縄文時代の算数・数学?

大湯ストーンサークル館

ますりん、これ、いいねぇ! とぼけた顔が最高だな。本当に縄文時代のものなの? 今でもふつうにいそうなキャラクターっぽいね。

ここは秋田県の「大湯ストーンサークル館」。すぐそこにある遺跡、「大湯環状列石(おおゆかんじょうれっせき)」で発掘されたものが、たくさん展示されているよ。縄文土器にもいろいろなものがあるけど、りくさん、その最高のやつは「土版(どばん)」というんだ。ここでは「どばんくん」と呼ばれていて、キャラクターグッズも大人気。

あははは、どばんくんか!あれ?どばんくんの胸に模様があるよ。真ん中に、ボタンが5つ。左側の模様は3つだけど、右側は4つだね。3、4、5……。

ふふふふ。いいところに気づいたみたいだね。そこに、鏡が置いてあるでしょう。それも見てみて?

あっ、裏側が映ってる。そうか。展示ケースに入ったままで、全体が見えるようにしてあるんだね。左上と右上に、穴が3つずつ。合わせて6つだ。ひょっとして目や口に見える穴も、数に関係があるのかな? 口が1で、目は2。表裏を合わせて、1、2、3、4、5、6の数字がそろったよ。サイコロ?

【今週の算数・数学フォト】 縄文時代の算数・数学?02

なるほど、サイコロか。それも、数に深く関係するグッズだよね。この土版、くわしくはわからないけど、もしかしたら計算機のようなものかもしれないといわれているんだ。りくさんがいうように、サイコロかもしれない。

縄文時代にもそんなものがあったんだね!

縄文の人たちは、毎日、どんなことを考えて暮らしていたんだろうね? ところで、そろそろ外の遺跡を見にいこうか。縄文時代の後期、今から約4000年前に作られたものらしいよ。

【今週の算数・数学フォト】 縄文時代の算数・数学?03

原っぱに、石がごろごろ。あ!大きな輪っかの形に並べられてるんだね。ドーナツ型だ。

これは「野中堂環状列石」。道の向こうにも、同じような石の並びがあって、「万座環状列石」と呼ばれているよ。お祭りや儀式の場所だったともいわれているんだ。

なるほど。この広場、確かにキャンプファイヤーやフォークダンスにもよさそう。人ってやっぱり、みんなで輪になりたいのかな。縄文時代も同じなのかな。あそこには、柱みたいに立ててある石もあるね。

【今週の算数・数学フォト】 縄文時代の算数・数学?04

これは、日時計だといわれているんだ。しかも、ここ野中堂環状列石の中心と向こうの万座環状列石の中心を結ぶと、夏至の日に太陽が没む方角を、ピタリと指すんだよ。

ええっ。4000年も前に、そんなことがわかっていたの?縄文時代に、太陽の動きを毎日記録したり、石の積み上げ方を考えたりしていた人がいたのかもね。

*大湯環状列石、大湯ストーンサークル館/秋田県鹿角市。大湯環状列石は2021年、「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界遺産に登録された。
*写真提供/鹿角市教育委員会

〒018-5421 秋田県鹿角市十和田大湯万座

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