*写真提供:天童市
りくです。山形県天童市にやってきました。ますりん、桜がきれいだねぇ。最高のお花見だよ。
ここ天童公園には、約2000本の桜が植えられているんだって。でも、りくさん、「最高」は、まだ早いよ。今日のメインイベントは、もっと先にあるんだ。ほら、もうすぐ山頂だよ。
*写真提供:天童市
ええっ、時代劇? 鎧兜(よろいかぶと)の武士だ。女の人は、長刀(なぎなた)を持っているね。観客の数もすごい。どんな戦(いくさ)が始まるの?
そう、まさに戦だね!これから始まるのは、将棋の対局。人間将棋だよ。あれは、巨大な将棋盤。彼らは、一人一人が将棋の駒なんだ。
くー!かっこいい!でも、40人がどうやって戦うの?皆が勝手に考えて動いたら、味方同士で大乱闘になっちゃうよ。「それは違うぞ」「こっちが先だー」って。
あはははは。実際に将棋を指していくのは、プロの棋士だよ。本物の将棋と同じように、一手ずつ、動きを指示していくんだ。
そういえば、ぼくのおじいちゃんがテレビでよく見ていたな。棋士が駒を動かすたびに、解説の人が「先手、ナントカカントカ……」。なんだっけ?
そうそう!まず将棋盤には、縦横それぞれ9列のマス目があるんだ。りくさんが覚えていた「先手」は、先に指す棋士のことだよ。その人の側から見て縦の列には右から1筋、2筋、
3筋、・・・、横の列には上から一段、二段、三段、・・・と名前がついているんだ。
なるほど!もうわかったよ。
\(9\times 9=81\)だから、マス目は81個。
それぞれの位置に、きちんと名前が付けられているってことだね。たとえば、この図の赤いマス目にいる「歩」は、2筋七段の位置にあるよね。これを1つ動かすなら……動いた先のマス目の位置は、2筋の六段になるね。「先手、2六」かな?
大正解。「先手、2六歩」と、駒の名前も一緒に言うきまりだよ。これをマイクで伝えれば、駒の人たちも、ちゃんとわかって動けるというわけ。
ますりん、これって「座標」の考え方と似ているね。縦には数字、横には漢字を使うのも、すごくわかりやすい。将棋の仕組みって、美しいなぁ。ところで、どうしてここで将棋の大イベントをやっているんだろう?
よく聞いてくれました!天童市は、将棋の町なんだ。全国の将棋駒の9割以上は、天童市で作られているんだよ。JR天童駅には将棋専門の資料館があるし、大会やイベントもたくさん開かれてる。町中に将棋モチーフのオブジェがあるから、帰り道も楽しみだね。
*天童公園(舞鶴山)/山形県天童市
〒994-0000 山形県天童市天童字城山
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