今週の算数・数学フォト
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みさきです。ここは富山県の、田んぼの中です。きれいな丸い滝があって、流れる水をいつまででも見ていられそう。美術作品かな。でもここ、公園でも何でもないよね。あまり人もいないし、ますりん、どうしてこんな所に作ったんだろう?
なるほど! 確かに、美術作品みたいな美しさだよね。これは「東山円筒分水槽」といって、3つの用水路に水を公平に分配するための、農業用の施設なんだよ。なんと1955年から、60年以上ずっと使われているんだ。
へええ、そんな役割があったんだ。でも水を3つに分けるだけなら、同じ幅の仕切りを作れば、すぐにできそうだけどな。
ところがね、水の流れは真ん中ほど速くて端の方はゆるいから、幅を3つに分けただけでは、水の量が均等にならないんだ。この土地は夏になると水が不足しがちで、昔から水争いが絶えなかった。そこで、公平に水を分けることができる、この施設が必要になったんだね。円筒状の水槽に水を引き入れてあふれさせると、円周上はどこでも、あふれる水の量が一定になるんだよ。この水を分けるためには、ピザを切り分けるみたいにしたらいいってわけ。
なるほど。3等分だから、こんな感じ?おもしろーい!
ここでは、各地区へ公平に水を分配できるように、それぞれの田んぼの面積に応じて割合を出して、円周上に仕切りを作ったんだって。
そうか、田んぼの面積は地区によって違うから、ピッタリ3等分すればいいというわけでもないんだね。
たとえば、A地区とB地区とC地区の田んぼの面積比が5:3:2だとしたら、どう分けたらいいと思う?
ええと、\(5+3+2=10\) だから、全部を10等分してからA地区に5個分、B地区に3個分、C地区に2個分を分けたらどうかな? こんな感じ!
さすが、みさきさんだね。バッチリだ!
この仕組みなら、田んぼの面積の比率が変わっても、きちんと水の量を調整できるというわけ!
*東山円筒分水槽/富山県魚津市。
〒937-0015 富山県魚津市東山
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