今週の算数・数学フォト

2022.07.11

三角屋根の世界遺産

白川郷

ここは、岐阜県の「白川郷」。あれは合掌造りの家だよ。「合掌」というのは両手の手のひらを合わせた形のことだね。ちょうど、そんな風に丸太を組んで作るんだって。ユネスコの世界遺産にも登録されているんだよ。

三角屋根だ。かわいい形だな。でも、村のどの家も似た形をしているのは、どうしてだろう?

ヒント1は、冬。ヒント2は、日本海側だよ。日本海側の冬といえば、なんだろう?

ええと、日本海側の冬……あっ、そういえばスキーに行ったことがあるよ。
そうか、雪だ。日本海側では、冬に大雪が降るよね。なるほど。こんなに急な角度の屋根なら、雪下ろしをしなくても自然に落ちていきそうだね。

【今週の算数・数学フォト】三角屋根の白川郷02

*写真提供:岐阜県白川村役場

その通り。屋根の部分はほぼ正三角形に見えるから、角度はだいたい \(60^{\circ}\)だね。\(60^{\circ}\)という角度は、上や横からの力に強いんだ。雪の重さに押しつぶされないようにするための工夫だね。
そして実はもう1つ、この形には秘密があるんだよ。家の中にも、入ってみようか。

へえ、中は広いんだね。階段を上っていくよ……。わぁ、3階建てなんだ。この3階は、何の部屋だろう。なになに? カイコ?

【今週の算数・数学フォト】三角屋根の白川郷03

*写真提供:大野寛武

白川郷は、カイコを飼って絹糸を取る、養蚕が盛んだったんだ。この角度の屋根なら屋根裏を広く取れるから、場所を有効に使えたんだね。いろいろな三角形と比べてみると、わかりやすいよ。

【今週の算数・数学フォト】三角屋根の白川郷04

本当だ。右の三角形の形のときに屋根裏が一番広くなりそうだけど、屋根が長くなって横からの力に弱くなりそうだね。
正三角形って、強くて広くて、すごい三角形だったんだ。そして、昔からの知恵がつまった合掌造りの家は、確かに、とっても貴重な遺産だね。

*白川郷/岐阜県白川村。1995年、富山県の五箇山とともに「白川郷・五箇山の合掌造り集落」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。

〒501-5627 岐阜県大野郡白川村

その他のコンテンツ