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中学校
2024.04.16
【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践54~デジタル教科書(3年平方根①)~
相模原市立相武台中学校
加藤光顕先生
今回は、3年で学習する平方根の実践で活用したデジタル教科書の有効な方法をご紹介します。
①定規では測れない数値があることをアニメーションで理解する
□単元:2章 平方根 □内容:p.44 根号 □学年:中学3年
平方根の導入では、正方形を教材として面積が2cm2の1辺の長さを考えることで、\(\sqrt{ }\)(根号)の意味を理解することを扱っています。 \(\sqrt{2}\) が一体どれくらいの値であるのかは、小数を2乗して調べることができます。
実際に面積が1cm2、4cm2、9cm2の正方形の1辺の長さは、1cm、2cm、3cmと簡単に答えることはできますが、面積が2cm2のときは悩む生徒が多いです。直感で1.5cmと答える生徒もいますが、すぐに他の生徒が「 \(1.5 \times 1.5=2.25\) になって2にはならないから違う」と反応します。それをきっかけに「では2乗して2になる数を調べてみよう」と生徒を促します。クロームブックがあれば電卓も簡単に使うことができるので、生徒に \(1.4 \times 1.4=1.96\)、\(1.41 \times 1.41\)、\(1.42 \times 1.42\)、…と小数第3位まで調べさせました。この過程を通して、「小数が無限に続きそう」「定規では到底測ることができない」「円周率と同じ」という理解を体験的に学ばせることができました。さらに、辺の長さを視覚的に捉えさせることで、よりイメージが湧きやすくなります。視覚的に捉えさせるうえでデジタル教科書のコンテンツが有効です。
デジタル教科書のp.44のコンテンツをクリックすると図の内容をアニメーションで提示することができます。アニメーションでは、ルーペで拡大していく様子がわかるため、1辺の長さが1.41…になることをイメージすることができた生徒も多くいました。
②根号を使った値の理解をアニメーションでより深める
□単元:2章 平方根 □内容:p.47 平方根の大小 □学年:中学3年
平方根2時間目では、平方根の大小を比べる内容となります。教科書では、\(\sqrt{2}\) と \(\sqrt{5}\) ではどちらが大きいのかを、前時で扱った正方形を使って考えていきます。正方形の面積が大きくなるにつれて、1辺の長さも長くなるので答えは容易に想像がつきますが、ここでもデジタル教科書のコンテンツが有効です。デジタル教科書のp.47のアニメーションを活用することで、\(\sqrt{2}\) と \(\sqrt{5}\) の大きさを視覚的に捉えやすくすることができるでしょう。
③まとめ
今回紹介した内容は、単元の導入です。単元の導入は、生徒が気持ちを新たにして臨む大切な機会です。その際にデジタル教科書のコンテンツを活用して視覚的に提示することは、生徒の意欲や理解を高めるためにも非常に効果的だと思います。生徒がクロームブックを日常的に使用している現在の環境であれば、教師側の意識次第で手軽にコンテンツを活用できます。ささいな内容であっても、そのような小さな積み重ねが生徒の意欲を高め、理解を深めるきっかけになり、大きな結果につながるのだと私は考えています。
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