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中学校

2024.01.23

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践㊿~デジタル教科書/操作編(3年 三平方の定理⑥)~

相模原市立相武台中学校
加藤光顕先生

 

 今回は、3年三平方の定理の学習で活用したデジタル教科書の有効な方法をご紹介します。

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践㊿~デジタル教科書/操作編(3年 三平方の定理⑥)~01

①アニメーションで円錐を1周するひもの最短経路を学ぶ

□単元:7章 三平方の定理  □内容:p.207 三平方の定理の利用  □学年:中学3年

 教科書p.207は、問題演習の内容です。デジタルコンテンツを利用することで、ここでも問題の概要がつかみやすくなる2つの実践例を紹介します。

 \(\boxed{4}\) は、前回の実践で紹介した空間図形に糸をかける問題の類題です。空間図形としては、ここでは円錐を扱い、ひもをその側面に沿って1周するようにひもをかけるときの最短の長さを求めます。この問題を解くためには、まず中学1年で学習した円錐の側面の展開図をイメージする必要があります。しかし、展開図の形を忘れていたり、形は覚えていてもひもの経路がどのようになるのか想像できなかったりする生徒も少なくありません。

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 そのようなときに有効なのが、デジタルコンテンツです。図には赤い線でひもがわかりやすく示されており、スタートをクリックするとアニメーションで円錐が開いて、展開図が現れます。展開図からは、ひもの長さは最短なので直線となり、おうぎ形の半径すなわち母線を1辺とする二等辺三角形の底辺になっていることが簡単に確認できます。これを実物で紹介するのは難しいですが、デジタルコンテンツなら手間をかけず生徒に提示することができます。このアニメーションを見ることで多くの生徒がイメージを持つことができ、次のステップへスムーズに進むことができました。

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②直方体の辺上にある点を結んでできる四角形を考える

□単元:7章 三平方の定理  □内容:p.207 三平方の定理の利用  □学年:中学3年

 \(\boxed{5}\) は、直方体の辺上にある点を頂点とする四角形について、周の長さと面積を考える内容です。この問題は、問題文や見取図だけだとイメージするのが特に難しい内容です。たとえ線を結んだとしても見取図だけでは、四角形がどんな形になるか想像に苦しむ生徒が多いのではないでしょうか。

 そこで、デジタル教科書のシミュレーションの出番となります。実物で準備することが難しい内容でも、デジタルコンテンツであれば実現可能です。デジタルコンテンツには、「切る」と「回転させる」があり、「切る」をクリックすると、4点 \(\text{A}\)、\(\text{M}\)、\(\text{G}\)、\(\text{N}\) を結んだ線で直方体を切断することができます。「回転させる」をクリックすれば、切断された後の図形を3D-CADのように動かすことができ、いろいろな方向から形を確認することができます。これにより、見取図では確認できなかった四角形の特徴も、4つの辺の長さがすべて等しいことがわかり、多くの生徒がひし形になることに気づくことができます。あいまいな理解のまま進めるのではなく、デジタルコンテンツ上で図を確認すれば納得して次のステップに進むことができ、生徒のモチベーションの維持やより深い理解につながります。

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