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中学校
2023.10.24
【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践㉛ ~デジタル教科書/操作編(3年 相似な図形③)~
相模原市立相武台中学校
加藤光顕先生
今回は、3年で学習する相似な図形の実践で活用したデジタル教科書の有効な方法をご紹介します。
①デジタルコンテンツで解決の概要をつかみ、思考を深める
□単元:5章 相似な図形 □内容:p.148~p.149 中点連結定理 □学年:中学3年
教科書p.148では、三角形のそれぞれの辺の中点を結んだ三角形との関係から中点連結定理を学びます。実際に生徒に三角形をかかせると、「確かに平行になる」「半分の長さに見える」など、驚きや不思議さを感じる声が聞けます。また、同時に「どんな三角形でもそうなるのか」と疑問を持つ生徒も出てきます。そのようなときに有効なのがデジタルコンテンツです。わざわざ生徒に違う形の三角形をかかせなくても、デジタル上で三角形の形を変えることができるので、簡単に生徒の疑問に答えることができます。また、元の三角形から形を変えることで、変化する過程も可視化できます。そのことが、よりいっそう生徒の納得感を導いているようでした。
教科書p.149には、「深い学び」として四角形の各辺の中点を結んだ図形について考える課題があります。条件によっていろいろな四角形となりますが、その理由を前述で学んだ中点連結定理や中学2年で学習した平行四辺形になる条件などを使って証明します。難易度が高い内容ではありますが、今までの知識を活用し学びを深めるための有効な課題と言えるでしょう。ここでも課題解決の概要をつかむために、デジタル教科書が欠かせません。四角形の条件をいろいろと変えるためには、何回もかき直す必要があります。もちろん周囲の人と協力しながら条件が異なる四角形を比較する方法もありますが、同じ条件になる場合が多く、どうしても偏った解釈になってしまいます。
そこでデジタルコンテンツの出番です。コンテンツを活用して、自らつくった四角形の形や長さを変えることで、どのような条件でどのような四角形になるのかを想像しやすくすることができます。何度も変えることができるので、わざわざかき直す手間もありません。この手間が案外生徒の思考の妨げになることもあり、1つの四角形で思考を止めてしまうこともあるのではないでしょうか。それを防ぐためにも、自由に形を変えることができるこのコンテンツを使うことは有効であり、思考を深めるきっかけ(ひらめき)の一助にもなるはずです。
対角線の条件によって、長方形、ひし形、正方形になることがわかります。これは、中学2年で学習した「特別な平行四辺形」の平行四辺形に追加した条件によって、長方形、ひし形、正方形になる内容を想起させることにもつながります。
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