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中学校

2023.10.19

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践㉚ ~デジタル教科書/操作編(3年 相似な図形②)~

相模原市立相武台中学校
加藤光顕先生

 今回は、3年で学習する相似な図形の実践で活用したデジタル教科書の有効な方法をご紹介します。

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践㉚ ~デジタル教科書/操作編(3年 相似な図形②)~01

①本題に入る前にフラッシュカードでウォーミングアップ!

□単元:5章 相似な図形  □内容:p.134 比例式の利用  □学年:中学3年

 教科書p.134では、相似な2つの三角形において、相似比を利用して辺の長さを求める問題を扱います。その際に、中学1年で学習した比例式を使って解くことになりますが、しばらく授業で扱っていないため、忘れている生徒も少なくありません。「ちょっと確認」で式を確認することもできますが、デジタル教科書のフラッシュカードを使うことで、容易に復習することができます。たくさんの問題が自動で出題されるので、比例式を使って \(x\) の値を求めさせるトレーニングができます。本コンテンツは、ランダム設定や表示速度の変更もできるため、生徒の実態に応じて合わせることもできます。慣れてくると暗算でも求められるようになるので、本題に入る前のウォーミングアップとして活用してみてはいかがでしょうか。

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□単元:5章 相似な図形  □内容:p.136 三角形の相似条件  □学年:中学3年

 三角形の相似条件を確認する際には、中学2年で学習した三角形の合同条件を引き合いに出す方もいると思います。「ちょっと確認」には、三角形の合同条件が書かれているので、比較して確認することができます。三角形の合同条件と相似条件の違いを明確にすることは、合同と相似の特徴を学習し直すうえでも非常に有効だと思います。生徒に比較させることで、例えば次のようなことに気づかせることができます。

 条件1は、3組の辺において、「それぞれ等しい」から「辺の比がすべて等しい」となった。「辺の長さが等しい」のが合同で、「辺の比が等しい」のが相似なので、条件2でも同様に、「辺」から「辺の比」になった。条件3は、合同では大きさが等しいから、「1組の辺の長さが等しい」ことが条件として必要だったが、相似は形が同じであればよいので、その両端の角でなくても、「2組の角が等しい」のであればよいことがわかる。
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 さらに、条件3については、「なぜ三角形は3つの角があるのに、3組の角ではなく2組の角のみでいいのか」と質問してくる生徒に対して、「なぜでしょう」と全体に問い返してみます。すると、他の生徒が「3組しか角がないから、2組が等しいのなら残りの1組も等しくなるはず」「三角形の内角の和は180°だから、2組の角が同じなら、残りの角は等しくなる」などと、生徒どうしで説明し合うことができました。このようなやり取りも、中学2年で学習した証明問題が生かされていることがわかれば、学び直しのうえで大切な機会となるでしょう。
 なお、ここでもフラッシュカードが利用できるので、三角形の合同条件やその使い方を確認することができます。本題に入る前に一度振り返らせることで、相似条件について合同条件から想起させて考えさせることにつながるはずです。

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