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中学校

2023.07.21

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践㉔ ~デジタル教科書(3年 平方根②)~

相模原市立相武台中学校
加藤光顕先生

 今回は、3年で学習する平方根の実践で活用したデジタル教科書の有効な方法をご紹介します。

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践㉔ ~デジタル教科書(3年 平方根②)01

①説明動画で平方根の近似値を視覚的に覚えやすくする

□単元:2章 平方根  □内容:p.55 平方根の近似値  □学年:中学3年

 小学校では、自然数、整数、小数、分数、中学1年では、負の数、そして中学3年では、無理数を学ぶことで、扱える「数」がさらにひろがったことになります。ここでは、今まで習った「数」を振り返り、知識を整理する内容となります。しかし、根号は \(\pi\) と同様に記号でしかありません。

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そのため、\(\sqrt{2}\) や \(\sqrt{3}\) が実際はどれくらいの大きさになるのかは、\(\sqrt{2}\) や \(\sqrt{3}\) からは見えません。根号の計算を積み重ねていくと、どうしてもおよその値を忘れてしまう生徒が出てきます。だからこそ、ここで平方根の近似値について再度確かめておくことが重要となります。いくつか確認しておくだけでも、根号はあくまで記号であること、その値は無限小数であることを認識することができるでしょう。
 教科書p.55の「数学のまど」では、平方根の近似値のおぼえ方を語呂合わせで紹介していますが、デジタル教科書のコンテンツを活用すれば、説明動画を見ることができます。説明動画は語呂合わせのイメージとなる絵も表示されるため、意味が捉えやすく覚えやすくなるでしょう。

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②フラッシュカードで混乱しやすい計算の定着度を高める

□単元:2章 平方根  □内容:p.60 根号の計算  □学年:中学3年

 根号をふくむ式の計算では、乗法公式を利用した計算で混乱する生徒が少なからずいます。根号も文字と同様に考えればいいのですが、文字と異なる点は、根号内の数で乗除の計算が行えるという点です。ここでは、乗法公式がすらすらと使えること、根号をふくむ式の四則の計算がしっかりと行えることが不可欠となります。

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そのようなときに有効なのがデジタル教科書のフラッシュカードです。図のような目次から項目を選択し、それぞれの問題をランダムに表示することができます。「自動」機能を使うことで数式と答えが自動で表示されるので、生徒が自身の理解や定着度を確認するのに最適です。また、表示されるスピードも変えることができるので、自身の状況に合わせて調節することもできます。数分で実践できるため、授業の導入、あるいは最後の振り返りとして、日々の授業に組み入れてみるのはいかがでしょうか。

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③まとめ

 デジタル教科書には、Dマークコンテンツにはなかったアニメーションやコンテンツがたくさんあります。まさに、痒い所に手が届く教科書です。Society5.0、教育DX、…これからますますデジタルを駆使する時代となります。まず私たち教員が、前向きに取り組みたいものです。

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