特集記事(小中学校)

中学校

2022.03.24

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術 実践③ ~Google Meet・ストリーム(Google Classroom)/記録編~

相模原市立相武台中学校
教諭 加藤光顕先生

今回は、生徒の学び方(個別最適化と振り返り)で有効な方法をご紹介します。

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術実践③01

①課題の解法を動画で記録するから自分のペースで見直せる。

□単元:5章 平面図形  □内容:作図の解法  □学年:中学1年生

 実践②で紹介したように、クロームブックを用いて、作図の解法を説明し、さらに動画で記録することで、生徒は何度も解法を確認することができます。また個人の習熟度によって、確認したいところだけを見たり、授業以外の場面でも確認したりして、復習の仕方を変えることができます。まさに自分のペースに合わせた学習となり、これは個別最適化の一助となるはずです。

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術実践③02
【ICT教育のイマ】クロームブック活用術実践③03

②自分の説明を自分で見直すことで自己評価を行うことができる。

□単元:2章 文字と式  □内容:教科書p.73の文字式の説明【導入の場面】  □学年:中学1年生

 文字式の計算の導入の部分では、2章初めに扱った正方形の棒の本数をいろいろな文字式で表しています。同類項をまとめれば、最終的に同一の式になりますが、ここでは、計算前の文字式が考え方を表すことに気づかせたい場面です。また、多様な考え方を理解する機会として、相手の考え方を自分のものにするために、説明を話す・書くことを特に大切にしたいと考えていました。

 クロームブックを利用することで、前述した書画カメラ方式で、ワークシートを使いながらスムーズにわかりやすく発表することができます。次に、その発表を聞いたうえで、ペア活動で自分の言葉で説明させます。最後に、振り返りの場面では、クロームブックに向かって自分の考えを口頭で説明させ、それを記録します。その記録を聞きながら、「書く」という作業に移ります。自分の説明を自分で聞いてから、書かせることで、メタ認知としての振り返りができます。またなかには「書く」ということに苦手意識をもつ生徒もいます。そんな生徒にとっては、自分の説明を何度も聞く機会があることで、言語化する支援としても役立てることができます。もちろん説明を聞きながら、言葉を修正していくこともOKです。むしろ理解を深めるうえで大切な過程だと考えています。

【ICT教育のイマ】クロームブック活用術実践③04

③まとめ

 今回は、記録した動画や写真を有効活用する方法を紹介しました。記録化は、ポートフォリオや自己評価、復習の一助になります。さらに、新しい評価の3観点の一つである「主体的に学習に取り組む態度」において、キーワードである「粘り強い取組」や「自らの学習を調整しようとする側面」にも活かせると考えています。

 クロームブックはパソコンとは異なり、非常に素早い操作が可能です。慣れてしまえば手間も時間もかかりません。大変有効なツールです。使った分だけ生徒にも先生にも新たな発見や可能性を感じさせてくれるでしょう。ぜひみなさんなりの方法で、できることから始めてみてください。

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