特集記事(小中学校)

小学校

2021.11.22

【ICT教育のイマ】タブレットドリル 活用方法の紹介

札幌市立東橋小学校
黒澤智美 先生

(北海道算数数学教育会小学校部会 研究部長)

 札幌市では令和3年度から1人1台端末の活用が始まりました。本校では、年度当初から算数の「タブレットドリル」を購入しました。ねらいは、3つあります。

1つ目は、chromebookに慣れ親しむため
2つ目は、一人一人の確かな学力の定着のため
3つ目は、子どもの学ぶ時間の有効活用のため
です。

 実際、子どもたちがどのように活用しているか紹介します。

その1 「朝学習での活用」

 朝、登校して学習の準備を済ませるとchromebookを開きます。登校して来る時刻は8時15分から25分までの間で、かなり時間差があります。そこで、学校に着いた児童からchromebookで「タブレットドリル」にログインします。自分で取り組みたい学年、単元、難易度を選んで取り組んでいます。答え合わせも自分ででき、「間違えてた!」「あ~そっか!」などの声が、自然と上がっています。答え合わせが自分でできることも優れた点です。1年生でもすぐできるようになりました。

【ICT教育のイマ】タブレットドリル_活用方法の紹介
▲朝の準備が終わったらタブレットドリルへ

 自分で取り組む内容を選ぶことで、復習にも予習にも対応できます。例えば、同じわり算でも、前の学年に戻って練習することができ、子どもたちは自信を付けていました。毎日一人一人の習熟度に合わせてプリントを準備することは難しいですが、タブレットドリルがあればしっかりと復習や予習ができます。問題を選ぶときに、的確な言葉がけができるよう、日常から児童の理解度を把握しておきましょう。

その2 「習熟の時間での活用」

 算数の単元の終わりに習熟の時間が設定されていると思います。教科書の問題や、用意したプリントに取り組むことが多いかと思いますが、ここでも時間差が出てきませんか?黒板に取り組む単元を指示し、自分で問題を選択します。「フォローアップ」「たしかめ」「チャレンジ」「トレーニングドリル」の出題の意図を伝えておいて、単元の復習の時間を充実させます。取り組んでみると、ノートに計算途中を書きたい子や、数直線で式を導き出したい子がいました。ノートと併用して使うことで、子どもたちの問題解決活動も充実していました。ここでも、温かい声かけを忘れずにできるといいですね。

【ICT教育のイマ】タブレットドリル_活用方法の紹介▲黒板の問題が終わったらタブレットドリルへ
▲黒板の問題が終わったらタブレットドリルへ
【ICT教育のイマ】タブレットドリル_活用方法の紹介▲タブレットとノートとの併用の様子
▲タブレットとノートとの併用の様子

その3「自習時間の活用」

 教員は互いの研究授業を見合って、日々研鑽を積んでいると思いますが、悩みの一つに「自習」があげられると思います。プリントを用意したり、その〇付けをしたりして、仕事が増えてしまいます。そこで一石二鳥なのがタブレットドリルです。自分で問題を選択し、答え合わせをして、自分の得意不得意を認識することができます。さらに、教師は「タブレットドリル manager」で、誰がどの問題に取り組み、どのような結果だったのかを見ることができ、安心して自習をさせられます。ここでも、頑張って取り組んだ児童に温かい言葉がけや、まだ確実に力が身に付いていない児童への指導のフォローも忘れずにしたいです。

【ICT教育のイマ】タブレットドリル_活用方法の紹介▲朝の準備が終わったらタブレットドリルへ

 高学年だと、習熟で躓いた問題に家庭学習で再度取り組み、克服する姿が見られました。

 本校では、年度当初から始めましたが、できそうなことから少しずつ取り組んでみるといいと思います。上記以外にもタブレットドリルのよさとして、自ら選択し、自ら取り組み、答え合わせをすることで、自分の習熟の状態が明確に分かり、メタ認知能力も育まれていく点が挙げられます。ぜひ、先生も楽しみながら一緒にやってみるといいと思います。100点を取るのは、意外と難しいですよ。

タブレットドリルのメリット

【ICT教育のイマ】タブレットドリル_活用方法の紹介タブレットドリルのメリット

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