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小学校

2021.09.27

【ICT教育のイマ】荒川区立第一日暮里小学校直伝!学習者用デジタル教科書活用術 ~入門編~第3回 「授業をのぞいてみよう」

学習者用デジタル教科書を活用した算数の授業に昨年度から取り組む、東京都荒川区立第一日暮里小学校の先生方に、デジタル教科書の活用の仕方を教えていただきました。
第3回となる今回は、先生方に「授業中のどのタイミングでデジタル教科書を活用すると良いか」を伺いました。5年「図形の角を調べよう」(図形の角)から、四角形の内角の和を求める授業(「新しい算数 5 上」 p. 87~89)での活用方法を教えてくださいました。

① 問題把握

黒板に全員の視線を集め、問題を板書した上で問題把握を行います。学級全体で、数学的な見方・考え方や解決の見通しを共有したいと考えたからです。
話し合いを通して、四角形は三角形に分けられる形であること、前時までに見出した三角形の内角の和が180°であることが使えないか、という見通しをたてました。

自力解決【学習者用デジタル教科書を使用】

学習者用デジタル教科書を開き、デジタルコンテンツを起動しました。本時で活用する「新しい算数 5 上」のデジタルコンテンツには、点や直線を自由に書く機能があります。気軽に書き込んだり、何度も試したりしながら、自分の考えをまとめます。自分の考えは、紙のノートにも書かせます。

集団解決【学習者用デジタル教科書を使用】

まず、ペアグループでお互いの考えを紹介し合います。端末の画面を見せ合い、コンテンツを操作したり、画面に書き込んだり消したりしながら、友だちの考えを理解したり自分の考えを修正したりしています。
そして集団での話し合いです。ここでは、比較検討する考えを掲示用に作成し、黒板に掲示しています。自分では思いつかなかった考えには「なるほど」の声が上がります。本時は5つもの考えが出されました。簡単に点や直線が書けるデジタルコンテンツを使ったからこそ、ねらいに迫る多くの考えが出されたのでしょう。話し合いを通して、どの考えも「三角形の内角の和は180°」を活かしていることを見出しました。

▲学習者用デジタル教科書紙面(左上)とデジタルコンテンツの活用画面例

④ まとめと振り返り、次時の見通し

四角形の内角の和が360°になることの確認、そしてこのことは、前時の「三角形の内角の和は180°」を活かして見出せたことを価値づけました。
また「五角形の内角の和も求められそう」というイメージも共有しました。五角形の内角の和を求めるとすると、どの考えが使えそうかを考えることを通して、本時に取り上げた考えの価値をあらためて実感することになりました。

板書やノートづくりは今までと変わらず大切に

第2回でも紹介したように、デジタル教科書を使用した授業でも、これまで通り、板書やノートづくりはとても大切です。下は本時の子どもたちのノートの例と板書です。今は、ノートや板書が真っ白、などということはなくなりました(笑)。

入門編のまとめ

【まとめ1】 学習者用デジタル教科書のメリットとは

  • 紙のワークシートより考えること自体への心理的負担が減る。
    書いたり消したりが容易なビューア「Lentrance」は、試行錯誤を通して思考を進め、考える力を磨くのに向いています。
  • デジタルコンテンツにアクセスしやすい。
    シミュレーションやアニメーションなどのコンテンツが手間なく活用しやすく、事象を捉えやすくなりました。
  • 他のICT機器と一体的に使える
    電子黒板や授業支援ツールと一緒に使うと、子どもたちの考えを共有するのが簡単になるなど、授業がより充実します。各校の環境に応じて工夫ができそうです。

【まとめ2】デジタル教科書はあくまでツール。ツール選びは柔軟に

学習者用デジタル教科書、ICT 機器はあくまで学習ツールの一つです。算数科で育成を目指す資質・能力自体は学習者用デジタル教科書を使ったとしても変わりません。“何でもできる魔法のツール”ではなく、紙教科書の一覧性、特に低中学年の操作活動など、アナログならではのメリットもあります。資質・能力の育成に即して、学習方法やツールは柔軟に選択すべきでしょう。

【まとめ3】端末使用のルールをつくる

授業中、学習とは全然違う画面を見ている子どももいます。また、立ち上げっぱなしにしていると、画面に集中するあまり先生や友だちの話を聞いていないこともあります。端末を使わないときは閉じる、しまう、などのルールづくりが大切です。机の上を常に学習しやすい状態に整える習慣をつけさせましょう。


今回は、「授業中のどのタイミングでデジタル教科書を活用すると良いか」を伺いました。漠然とした「いつデジタル教科書を使うの?」というモヤモヤから、毎時の授業での活用するタイミングが想像できたのではないでしょうか。

本記事の内容は動画でも紹介しています。こちらからアクセスいただいたページ内の「学習者用デジタル教科書活用のポイント」をご覧ください。

いかがでしたか? 今回まで3回に渡って、東京都荒川区立第一日暮里小学校の先生方に、デジタル教科書の活用術の入門編を教えていただきました。試行錯誤の中でたどり着いた先生方の工夫がお読みいただいた全国の先生方に広がり、近い将来、これまでの紙と黒板を中心としたご授業の工夫との相乗効果で、子どもたちの資質・能力がますます育っていくことと思います。

教えていただきました、東京都荒川区立第一日暮里小学校の先生方、どうもありがとうございました。

~教えてくださった先生方~

校長 白井一之先生(写真 左)
平成30年文部科学省「デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン検討会議」委員。平成29年度より文部科学省学習者用デジタル教科書の効果・影響に関する実証研究に参画。昨年度より第一日暮里小学校にて検証事業を行っている。

算数少人数担当 瀬間麻衣先生(写真 中)
昨年度より算数少人数担当として赴任。学習者用デジタル教科書の活用は初めてであったが、使えば使うほど便利さも分かり、もはや手離せなくなっている。

5学年担任 葛城貴代先生(写真 右)
昨年度は5 学年の担任。学習者用デジタル教科書の使い方を真っ先にマスターしたのは子どもたちで、活用初期には、子どもたちにも助けてもらいながら授業を行う日々であった。

>第1回 「デジタル教科書の推しポイント」
>第2回 「よくある疑問・よくあるトラブル」

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