教科書・教材のひと工夫(高校)

高校

2025.11.06

【入試攻略】
今年の入試問題とグローバル数学Ⅲ(第2回)

 実際の入試問題と入試対策問題集の問題を見比べると,その問題に取り組む必要性や,学びのポイントが見えてきます。

 編集委員の先生方に,2025年を中心に大学入試問題で気になった問題と,あわせて取り組みたい『ニューグローバル数学Ⅲ』の問題を挙げていただきました。
 第2回のテーマは,「変化への対応が必要な問題」です。
 入試では,典型的な内容を“ひとひねり”した問題が出題されます。『ニューグローバル数学Ⅲ』で典型問題をしっかり押さえることが,変化に対応するための素地になります。

\(m^n=n^m\)となる自然数

【入試攻略】今年の入試問題とグローバル数学Ⅲ(第2回)01

【編集委員のコメント】

 まず,\(\displaystyle \lim_{ x \to \infty } \frac{\log x }{x}=0\) は誘導がなくても自力で証明できるようにしましょう。グローバル数学Ⅲの問題82 とセットで押さえておきたいですね。

 その上で,中央大学の問題4(3)やグローバル数学Ⅲの問題86(2)は,一度は経験しておきたい問題です。

 そして,昨年度の東北大学の問題5は,\(f(x)=\cfrac{\log (2x-3)}{x}\) の極値を与える \(x\) の値が定まらないため,やや難しくなっています。変化にうまく対応し,理解を深めましょう。

導関数の正負

【入試攻略】今年の入試問題とグローバル数学Ⅲ(第2回)03

【編集委員のコメント】

 グローバル数学Ⅲの問題88では,\(f(x)=\cfrac{\sin x}{x}\) を微分して \(f'(x)\) の正負を調べますが,そのままでは正負が分かりにくい形です。神戸大学の問題5も,\(f(x)=\cfrac{1-\cos x}{x^2}\) とするとき,\(f'(x)\) の正負について同様の課題があります。
 導関数の正負が分かりにくいときは,どのように対応したらよいでしょうか。必要に応じた工夫が求められます。第2次導関数を求めるのは大変ですから,ここでは導関数の一部だけをさらに微分して考えます。

逆関数の積分

【入試攻略】今年の入試問題とグローバル数学Ⅲ(第2回)05

【編集委員のコメント】

 グローバル数学Ⅲの問題161は,\(y=\tan x\) の逆関数なので一見手強いです。しかし,求める図形の面積は,逆関数が分からなくても求めることができます。
 慶應義塾大学の問題3は,\(y=f(x)\) の逆関数が比較的容易に求められ,しかも元の関数より扱いやすい形になります。(3)をまともに積分するのは大変ですが,(2)を利用すると簡単に求めることができます。
 問題の条件に照らしながら,元の関数と逆関数のどちらが考えやすいかを,常に意識しておくことが大切です。

伸開線で囲む面積

【入試攻略】今年の入試問題とグローバル数学Ⅲ(第2回)07

【編集委員のコメント】

 グローバル数学Ⅲの問題194の題材は伸開線です。点 \(\text{Q}\) の座標を媒介変数 \(\theta\) を用いて表すことが大切ですが,図も添えてあり,自然な立式が可能です。2025年は,長崎大学(工)の問題7で,ほぼ同様の出題がありました。
 昨年度の大阪公立大学の問題3番は,問題文が長く,図もないため一見分かりにくいですが,実際は同じ伸開線の問題です。
 グローバル数学Ⅲの問題192 や問題194 は代表的な曲線なので,大学入試でもよく取り上げられます。理解を深めておけば,与えられ方が変化しても対応できるでしょう。

※入試対策問題集『ニューグローバル数学Ⅲ』の詳細はこちらをご覧ください。

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