教科書・教材のひと工夫(高校)

高校

2025.06.05

【改訂版教科書】
5分で扱える!新しい発問「Think」(Standard・Selectシリーズ)

 現行の学習指導要領に変わり,大学入学共通テストもはじまったことで,思考力・判断力・表現力の重要性がさまざまな場面で強調されるようになりました。

 とはいえ,授業で扱う内容が減ったわけでもなく,日々のご授業の中で探究的な学びを取り入れるのは,特に授業進度の面で厳しいともうかがいます。
 そこで,改訂版教科書のStandard,Selectの両シリーズでは,「Think」という,理解を一歩深める5分で扱える発問を新設いたしました!日々のご授業に取り入れやすいよう,重くならない題材のみにしぼりました。

【改訂版教科書】5分で扱える!新しい発問「Think」(Standard・Selectシリーズ)01
▲左:Standardの「Think」のマーク
 右:Selectシリーズの「Think」のマーク

余弦定理の特殊な場合

 実際にどのような発問があるかをご紹介します。
 こちらは,余弦定理の証明の下に設けた「Think」です。

【改訂版教科書】5分で扱える!新しい発問「Think」(Standard・Selectシリーズ)02
▲数学Ⅰ Standard p.153

 余弦定理の特殊な場合として三平方の定理をとらえる,という趣旨の発問です。
 この見方は,同じページに掲載された解説アニメーションでも動的に確認することができます。

【改訂版教科書】5分で扱える!新しい発問「Think」(Standard・Selectシリーズ)03

 また,こうした三平方の定理と余弦定理の統合的な理解が問われる問題は,令和2年の大学入学共通テスト(第1問〔2〕)でも出題されていました。

【改訂版教科書】5分で扱える!新しい発問「Think」(Standard・Selectシリーズ)05

 数学のさまざまな場面に現れる特殊と一般の関係でとらえるという考え方に,この「Think」を通じて触れることができるようにしました。

余弦定理の特殊な場合

 次の紙面は,独立な試行の確率を求める例題の下にある「Think」です。

【改訂版教科書】5分で扱える!新しい発問「Think」(Standard・Selectシリーズ)07
▲数学A Standard p.49

 この「Think」の確率は,どのように考えるとよいでしょうか。
 例題1と同じように“排反な事象の和事象”と考えるかもしれませんし,例題の事象との関係に着目し“余事象”と考えるかもしれません。多様な考え方が引き出せる「Think」となっています。
 また,この内容の授業実践例がこちらの記事にございます。授業で取り入れるイメージの参考になれば幸いです。

朱書編にもThink!

 教科書に掲載する「Think」は,編集委員会で何度も議論を重ねて厳選しました。
 一方で,指導用教科書(朱書編)には教科書にはない「Think」も掲載しています。先生方のお好みに応じて,「Think」を補充していただけます。

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別解研究もThink!

 Standardシリーズの「Think」には別解を考えるものもあり,さらに巻末の「別解研究」で解法についての理解をさらに深められます。
 こちらについては,Advancedシリーズと合わせて「別解」の扱いについて紹介している記事もございますので,ぜひご覧ください。

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