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中学校

2026.08.20

私の教科書『推しページ』 #11 成田慎之介 先生 新編 新しい数学3 p.171

 「私の教科書『推しページ』」は、全国の先生方に『推しページ』について語っていただくコーナーです。推しページは、思い入れのあるページ、他の先生方に注目してほしいページ、研究の場面でよく利用しているページなど、それぞれの「推し」の観点で選んでいただいています。

 

 今回は、東京学芸大学の成田慎之介先生に、特に関心のある「授業研究や探究的な学びの実現」について語っていただきました。
 選んでいただいたページは、新編 新しい数学3のp.171の第6章「円の性質を見つけて証明しよう-円-」の1節「円周角の定理」の「1つの弧に対する円周角の大きさは一定であることの証明を考えてみよう」のページです。

成田慎之介 先生 
成田 慎之介 先生

『推しページ』 新編 新しい数学3 p.171
「1つの弧に対する円周角の大きさは一定であることの証明を考えてみよう」

私の教科書『推しページ』 #11 成田慎之介 先生 新編 新しい数学3 p.171 02

 円周角の定理は中学生がそれまでに似たような学習をしたことがないうえに、とても不思議な性質であるため、じっくり味わいたい内容です。一方で証明は難しいため授業では手短に済ませ、演習に時間をかけてしまいがちではないでしょうか。

 しかし、難しさを理由にこの証明を軽く扱うのは非常に惜しいことです。なぜなら、この証明には非常に豊かな数学的な見方・考え方が詰まっているからです。東京書籍の教科書の流れは、それを前面に出しています。

 点Pが円周上を動いても∠APBが「一定」であることを証明する方法は、円周角が中心角の半分であるという性質を示す方法が定番です。しかし、中心角に着目すること自体なかなか思いつきません。どう考えれば思いつくのでしょうか。そのため、点Pが動いても「変わらないもの」を探すことが大切であり、この見方・考え方を意図して設定されたのがp.171①の問いです。

私の教科書『推しページ』 #11 成田慎之介 先生 新編 新しい数学3 p.171 03
▲3年p.171

 点Pが動いても半径と中心角は変わりません。すると徐々に二等辺三角形が浮かび上がり、その底角と円周角、中心角の関係を探っていくと証明にたどり着けます。

 p.171右下の吹き出しには、この思考のプロセスを振り返る問いが置かれています。捉えづらい円周角を変わらない(捉えやすい)中心角に置き換えて考え、その関係を用いて証明できるのです。これは「関数の考え」という、数学教育で昔から大切にされてきた見方・考え方です。その見方・考え方を働かせる機会となるのが、この証明なのです。こうした見方・考え方を授業で顕在化させ、生徒に意識させることを意図して、この紙面はつくられています。

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 もちろん、証明の方法はこれだけではありません。「新編 新しい数学 教師用指導書 研究編」では、太田伸也先生が生徒の考えた他の証明(証明しきれていない)事例を基に、生徒の思考プロセスのなかに潜んでいる価値を考える大切さについて説明されています。ぜひそちらもご覧いただき、定理を証明する生徒の思考を楽しむ授業を実践していただけたらと思います。

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▲「新編 新しい数学 教師用指導書 研究編」p.24~25

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