特集記事(小中学校)
- TOP
- 特集記事(小中学校)
- 私の教科書『推しページ』 #5 榎本哲士 先生
「私の教科書『推しページ』」は、全国の先生方に『推しページ』について語っていただくコーナーです。推しページは、思い入れのあるページ、他の先生方に注目してほしいページ、研究の場面でよく利用しているページなど、それぞれの「推し」の観点で選んでいただいています。
今回は、信州大学で「代数的思考の育成」や「算数・数学学習と非認知能力の関係」について研究されている榎本哲士先生に語っていただきました。
選んでいただいたページは、新編 新しい数学2のp.27-28の第1章「式の計算」の2節「文字式の利用」の深い学びのページです。

『推しページ』 新編 新しい数学2 p.27-28
「スタート地点を決めよう」


文字式の学習は多くの生徒に多項式の加法・減法といった計算方法の習得が中心であると捉えられる傾向があります。私の『推しページ』の題材では、直接触れたり観察したりできない事象を文字や式を用いて「みえる化」することで、その生徒の印象を大きく変えることができます。
このページでは、運動場のトラックにセパレートコースをつくることを考えます。このとき、それぞれのレーンの長さを等しくするために、スタート地点をどれくらいずらせばよいかを考えます。

このページで特に大切にしたいことは、第1レーンと第2レーン、第2レーンと第3レーンの1周の長さを具体的な数値で計算して差を求めた方法と、半円部分の半径をr mとして式に表して差を求めた方法とを比較することです。

具体的な数値で隣り合うレーンの長さの差を計算すると、その差が一定であることがわかりますが、その計算過程や結果からセパレートコースの仕組みは簡単にはわかりません。一方で、半円部分の半径をrとしてスタート地点の差を文字式で表すことで、その式に文字が含まれないことから、スタート地点の差は半円部分の半径の大きさに関係なく決まることがわかります。
このように文字で表した数量が結果にどのように関係するかを考えることで、文字式を用いた思考力を育てる授業や文字式を用いるよさを実感できる授業につながるのではないでしょうか。
その他のコンテンツ