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中学校

2026.04.30

私の教科書『推しページ』 #4 青谷章弘 先生

 「私の教科書『推しページ』」は、全国の先生方に『推しページ』について語っていただくコーナーです。推しページは、思い入れのあるページ、他の先生方に注目してほしいページ、研究の場面でよく利用しているページなど、それぞれの「推し」の観点で選んでいただいています。

 

 今回は、広島経済大学青谷章弘先生に、特に関心のある「1次方程式の利用」について語っていただきました。
 選んでいただいたページは、新編 新しい数学1のp.108の第3章「未知の数の求め方を考えよう-方程式-」の2節「1次方程式の利用」のページです。

私の教科書『推しページ』 #4 青谷章弘 先生01
青谷 章弘 先生

推しページ』 新編 新しい数学1 p.108
「1次方程式の利用」

私の教科書『推しページ』 #4 青谷章弘 先生02

 

 1年p.108例2の「過不足の問題」は、生徒にとって難易度が高い一方で、数学的な考え方のよさを味わうことができるよい問題です。難しさの要因の1つは、問題文から見いだした数量関係を1つの文字だけで式に表すことができないことです。例えば
 「(4枚ずつ配るのに必要な枚数)-(実際の枚数)=(足りない9枚)」
と考えた場合、左辺に2つの未知数があり、1つの文字だけで式に表すことができません。このもどかしさには後に学ぶ連立方程式の有用性がすでに表れているとも言えます。

 しかし、ここからがこの問題の面白いところです。子どもの人数を\(x\)とし\(4x\)や\(3x\)という「仮定上の折り紙の枚数」を考えることで「実際の折り紙の総数」という変化しない数量に着目できるようになります。「実際の折り紙の総数」を2通りの方法で表すことで、見事に1つの文字だけで方程式をつくることができるのです。生徒たちには、この発想のよさをぜひ味わってほしいと考えています。

 実際の授業では全員が自力で立式できなくても友達が立式した方程式をクラス全体で分析する活動に大きな意義があります。例えば \(4x-9=3x+15\) という式に対して「\(4x\)はどんな数量を表しているか」を生徒に問います。生徒からは「\(4\)に\(x\)をかけた数」や単なる「折り紙の枚数」といった回答が予想されます。これらに対して「\(4x\)というかたまりは何を意味するか」「\(3x\)と\(4x\)が表す数量に違いはあるか」と問い返し、文字式のかたまりが持つ意味を厳密に日本語で表現させることが重要です。生徒の回答を深堀りすることで「4枚ずつ配るときに必要な折り紙の枚数」という的確な表現を引き出せるはずです。\(4x-9=3x+15\) のほかにも \(4x-3x=9+15\) を思いつく生徒がいたらクラス全体で分析してみるとよいでしょう。立式ができた生徒には、どのようにその式を思いついたかを問い、その考えをほめてあげたいところです。

 1年p.108問3は、この分析の視点からつくられた良問といえます。生徒たちと時間をかけて方程式の分析に取り組んでみてください。

私の教科書『推しページ』 #4 青谷章弘 先生03

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