特集記事(高校)

高校

2026.08.27

今年の夏は去年より涼しかった…って本当?

 9月の教室では,夏休みの思い出の話に花が咲くことでしょう。きっと誰かがこう言うはずです。「今年の夏は去年より涼しかったなぁ~」と。
 でも,それって本当でしょうか?

 “なんとなく”感じていることをハッキリさせたいとき,「データの分析」は強力なツールです!
 実際に,東京大阪福岡仙台の四都市における,2026年と2025年の気温を比較してみましょう。気象データは,気象庁のWebサイトから入手できます。
 ここでは,7月1日から8月20日までの各日の最高気温(℃)のデータを使用します。

 東京の2026年と2025年のデータをそれぞれヒストグラムに表すと,次のようになります。

今年の夏は去年より涼しかった…って本当?01

 2026年は平均31.7℃,標準偏差3.35℃,2025年は平均33.3℃,標準偏差2.64℃でした。
 ヒストグラムから,分布の中心が左にスライドしていることが見てとれます。2026年のほうが最高気温の平均も低く,ばらつきも大きいため,たしかに「今年のほうが涼しかった」と言えそうです。

 続いて大阪です。

今年の夏は去年より涼しかった…って本当?03

 2026年は平均33.9℃,標準偏差3.49℃,2025年は平均35.2℃,標準偏差1.81℃でした。
 ヒストグラムに表すと,2025年の夏の過酷さがよくわかります。ばらつきが小さく,35℃前後にデータが集中しています。対して2026年は,最頻値こそ同じですが,低めの気温の日が増えて,ばらつきも大きくなりました。大阪も,「今年のほうが涼しかった」と言えそうです。

 福岡はどうでしょうか。

今年の夏は去年より涼しかった…って本当?05

 2026年は平均34.1℃,標準偏差2.44度,2025年は平均33.7℃,標準偏差2.15℃でした。
 ヒストグラムは同じような形です。平均・標準偏差も大差はなく,平均はむしろ2026年のほうがわずかに高い…ということで,福岡は「今年のほうが涼しかった」とは言えなさそうです。

 最後に仙台を見てみましょう。

今年の夏は去年より涼しかった…って本当?07

 2026年は平均28.2℃,標準偏差3.60℃,2025年は平均31.9℃,標準偏差3.39℃でした。
 ヒストグラムから,「今年のほうが涼しかった」のが一目瞭然です。最高気温の平均は,去年より3.7℃も下がっています。これは,強く張り出したオホーツク海高気圧から,冷涼な北東の風「やませ」が度々吹いたことによります。

 このように“なんとなく”感じていることを,データに基づき数値化,視覚化すると,たくさんの気づきが得られます。「データの分析」のご授業の際に,ぜひお住いの地域のデータで「今年のほうが涼しかったか?」を分析をしてみてはいかがでしょうか。

その他のコンテンツ