特集記事（高校）

　「使用実践例」は，全国の高校の先生から，教科書・教材の実際の活用のご様子を紹介していただく企画です。
　今回は，参考書『NEW ACTION LEGEND』シリーズ（以下，レジェンド）について，岩﨑先生にお伺いしました。

ラ・サール高等学校
岩﨑　正幸　先生

　本校は，1949年フランシスコ・ザビエル渡来400年を記念して設立されたカトリックの男子校で，当初の10年間は高等学校のみでした。現在中学校から4クラス，高校から1クラスが入学しています。中学生・高校生とも７割ほどが敷地内にある学校寮と近隣の下宿から通学しています。
　中３で数学Ⅰ，A，Ⅱの「図形と方程式」まで，高校から入学した生徒も1年次に数学Ⅰ，A，Ⅱ，B，Cの「ベクトル」までを終え，2年次から混成で理系文系に分かれます。

　高校課程に入る中３から参考書を持たせることになっています。教材は担当者に任されているので，教科書とはちがう出版社のものを，と考えました。
　例題・練習，節末の「問題編」「Let’s Try」，巻末の「入試攻略」という段階別構成は他の出版社にも見られますが，「Go Ahead」（より発展的な内容や解法を紹介するコラム）や「本質を問う」^※というコーナーに魅力を感じました。

　装丁のパッと見た目のかっこよさにもひかれました。
　参考書は基本的に授業で扱うことがなく，自習用という位置づけなので，なるべく多くの例題が載っていて，解説が詳しく，発展的な事項まで扱っているもの，として選びました。
　高２で『ニューグローバルトップ』（入試対策問題集）を演習用に使い始めましたが，こちらはたまたまという感じの採用で，『レジェンド』との対応ができるコンテンツがあることは，あとで営業の方から伺いました。

　中３，高１では「例題」を家庭学習として課し，提出を求めました。授業で教科書の説明が済み，傍用問題集での演習が始まるころに範囲を指示します。定期考査などの範囲に組み込んで，取り組んだかどうか，確認しました。夏休みなどの長期休暇の折にも，「例題」を指示しました。高校から入学の生徒には，教科書を入手する前の春休みに，「例題」を解いてきてもらいました。2年間（高校から入学の生徒は1年間）で「例題」は一通り解いたことになります。各ページの「例題」の下にある「練習」（例題の反復問題）は，使ったり使わなかったりでした。中学から入学の生徒は，復習のとき「練習」を指示しました。

　高１の春休みから節末の「Let’s Try」（例題と同レベル以上の問題）に入りました。高2の前期では，「Let’s Try」を週に10題ずつ宿題として課し，週に2回20分間の朝テストで確認をしていきました。「Let’s Try」も問題数が多いので，番号を絞って，数学Ⅰ，A，Ⅱ，B，Cの復習が繰り返しできるように予定を組みました。

　高2の夏休みから節末の「問題編」（例題からレベルアップした類題）に入りました。「問題編」も問題数が多いので，星３つ，星４つのレベルに限ることにしました。現在1カ月に35題ずつを指定し，80分間のテストで確認しています。３学期までに「問題編」の星3つ，星４つのレベルをすべて課す計画です。巻末の「入試攻略」は，高3前半での家庭学習に利用する予定で，こちらも定期的に確認テストをする制度ができています。

　「例題」は，教科書を終え，傍用問題集での演習が始まったころにちょうどよいレベルでした。基本的には授業で扱わないのですが，傍用問題集の問題との類題が多数あり，『レジェンドを解法辞典として使いなさい』とアドバイスしたり，『レジェンドにはこんな風に載っていた』という話は授業でしばしばしたりしました。
　「Let’s Try」や「問題編」には星３つ，星４つというくくりが設けられていますが，レベルは案外ばらけているように感じました。それがまた構成としてはよいかなと思います。星４つの中には，とても難しいものもありました。巻末レベル，高3レベル，といえそうなものもあり，高２にはよい刺激になっています。

　教科書の出版社とは違う視点もあって，別の出版社を採用した意味がありました。生徒にとってはちょうどよいレベルで，使いやすいです。高３前半までたっぷり使えそう，と考えています。高３後期にはそれぞれの志望大学別にレベルを設定しなければなりませんので，再び解法辞典的な使い方となっていくことでしょう。
　紙の質もよくて，４年間（高校からなら３年間）使っていくに耐える丈夫な作りになっているのもよかったです。

※参考書『NEW ACTION LEGEND』シリーズの詳細は，こちらをご覧ください。