算数・数学フォト

2025.09.08

芭蕉の気分で舟下り

最上峡芭蕉ライン観光

りくです。ここは山形県の最上川。ますりんはるとさんと一緒に、舟で川を下っているところだよ。おっと、今、ジェットコースターみたいだったね!

やっほう、スリル満点! ところでこの舟下り、名前は「最上峡芭蕉ライン舟下り」というんだよね。「芭蕉」って、なんだろう?

うふふふふ。「五月雨を集めて早し最上川」。

あっ、俳句だね。そうか、松尾芭蕉だ。

はるとさん、よく知っているなぁ。さっきの俳句は、まさに最上川の舟下りを詠んだ句。『おくのほそ道』によれば、松尾芭蕉が舟下りをしたのは元禄 2 年の 6 月 3 日だったそうだよ。

江戸時代にも、舟が使われていたんだね。この舟にはエンジンがついているけど、もちろん、江戸時代の舟にはなかったんだろうな。

うふふふ、そうだね。その頃の舟は、風を受けて進んだり、船頭さんが櫂(かい)で漕いだり、急流を上るときには綱で引いたりもして、山形の特産品を運んでいたんだよ。

へえぇ……と言っている間に、ゴールに到着! 50 分の舟下りだったね。
舟下りのコースの道のりはどれくらいかな。

道のりは、12.6km だよ。時間と道のりがわかれば、速さがわかるね。

もちろん、そのつもり。
まず、50 分は \(50÷60=\cfrac{5}{6}\) 時間 だね。
\(12.6÷\cfrac{5}{6}=12.6×\cfrac{6}{5}=15.12\) だから、
この舟は時速 15.1km くらいで川を下るよ。

うん、はるとさん、バッチリ!

江戸時代みたいにエンジンがない舟だとしたら、どうなるかな。帆で風を受けたり、船頭さんが漕いだりすることは、とりあえず考えない。ただ川の流れに乗って、川が流れる速さと同じ速さで下るとしたら?

おもしろい問いだね、りくさん。最上川の長さは 229km、上流から河口までは 4 日間で流れるんだって。

よーし、それがわかれば川の流れの速さがわかるね!
\(229÷4=57.25\)
1 日かけて 57.25km を下るから、
\(57.25÷24=2.385\)・・・
時速約 2.4km だ。
さっきの舟下りの 12.6km のコースを、エンジンを使わないで下ると
\(12.6÷2.4=5.25\) 時間
つまり 5 時間 15 分も、かかることになるよ。

エンジンを使ったときは時速 15.1km で、エンジンを使わないときは 時速2.4km で川を下る。
もし、川の流れがない、例えば湖みたいなところを、エンジンを使って進んだときは
\(15.1-2.4=12.7\)  
時速 12.7km になるね。
エンジンの出力を、川を下るときと同じにしてスタート地点に戻るとしたら…
\(12.7-2.4=10.3\) 
時速 10.3km になるんじゃないかな?もしそうなら川を下るときよりも時間がかかるね。

りくさんの計算、ナイス。はるとさんも、するどいな。考え方と計算は、2 人の言う通りだよ。でも実際には、川の流れる速さは時間や場所、水量によって変わるんだって。舟下りは運行時間がちょうど 50 分になるように、船頭さんが舟の速さを調整しているんだって!
また、戻るときは次のお客さんのために大急ぎ! お客さんは舟から降りてバスで戻るけど、舟は 30 分でスタート地点まで戻っちゃうんだって!

うわぁ、超特急。エンジンって、すごいパワーが出せるんだな。

大急ぎで川をさかのぼるときの舟の速さも、考えてみたいな! 

最上峡芭蕉ライン観光 /山形県最上郡戸沢村。船頭さんの舟唄を聞きながらゆっくりと下る舟下りを、四季を通じていつでも楽しむことができる。

〒999-6401 山形県最上郡戸沢村

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