今週の算数・数学フォト
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はるとです。今日はますりんと、大阪市此花区の舞洲(まいしま)に来ています。カラフルで楽しそうな建物だよ。ここは、テーマパーク?
うふふふふ、ちょっと残念。ここは「世界で一番美しいごみ処理場」ともいわれる、舞洲工場だよ。外観デザインはウイーンの芸術家、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏。毎年1万数千人もの人が訪れる、観光名所でもあるんだ。
へえぇ、ごみ処理場! つまり、あの金のキノコは煙突なのか。かっこいいな。
1日に最大900tのごみを焼却できるんだ。中は、けっこう複雑だよ。
(「焼却工場の処理工程」 大阪広域環境施設組合HPより)
うわぁ、工程がたくさん。つまり、左側からごみを入れて、⑦⑧のあたりで燃やすんだね。その先に、まだたくさんの仕組みがあるな。
そう、たとえば「ろ過式集じん機」や「脱硝反応塔」は、空気をきれいにして出すための仕組みだよ。大気汚染を起こさないように、排気をきれいにするんだね。
「灰ピット」や「灰出しコンベア」……灰に関する設備もたくさんある。
ごみを燃やすと、灰が残るからね。でも実は、この先が困った問題なんだ。ごみを焼いて出る灰は、どこかに埋めるしかない。これを「最終処分」というんだけど、陸上にはもう、ごみを埋める土地はあまり残っていない。
うーん。陸がダメなら、海はどう?
さすが、はるとさん。まさにここ舞洲が、そうやってできた埋立地なんだ。もうすぐ大阪・関西万博(EXPO2025)が開かれる「夢洲(ゆめしま)」も、実は埋立地だよ。もちろん、これは大阪府だけの問題じゃない。日本全国でどのくらいのごみが処理されているか、グラフで見てみようか。
(環境省2024年3月28日報道発表資料「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和4年度)について」より)
ええと、上のグラフは「ごみの総処理量の推移」。処理される前のごみの量だ。この10年間で、あまり変わっていないんだね。下のグラフは「最終処分量の推移」。処理して埋め立てたごみの量だ。あっ。同じ10年間だけど、こちらはだんだん減っているよ!
いいね、はるとさん。どのくらい減ってる?
グラフの最初は平成25年で、454万tだ。最後の令和4年は337万tまで減っているから
\(337 \div 454=0.742 \cdots\)
約74%だ。埋め立てたごみの量は、10年間で約 \(\dfrac{3}{4}\) まで減ってる。
うふふふ、ばっちりだ! それでもやっぱり、ごみは出続けてる。環境省によれば、このままのペースでは、2046年には埋め立てる場所がなくなってしまうらしいんだ。
うーん。その頃のぼくは、何才かな? ごみ問題、考えていかなくちゃ。そういえば、工場の図には「蒸気タービン発電機」というのがあったね。発電もしているの?
ごみを焼くときに出る蒸気を使った、最先端の発電設備だよ。最大で32,000kWの発電ができるんだ。これが、どのくらいすごいかというとね。日本の一般家庭1世帯が1時間に使う電気は、約0.45kWだというデータがあるんだけど……
あっ、だいたい何世帯分か計算できる。
\(32000 \div 0.45=71111.1\cdots\)
約71,000世帯分の電力を発電できるってこと? ごみ処理工場って、ただごみを燃やしてるだけじゃないんだね!
*舞洲工場/大阪府大阪市此花区。2001年4月完成。埋め立てによる人工島・舞洲に作られた清掃工場。
〒554-0041 大阪府大阪市此花区北港白津
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