今週の算数・数学フォト
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- 大水車が回る仕組み
ますりんと、大分県佐伯市本匠にきています。うわぁ、ものすごく大きな水車だね。こんなに大きな水車、見たことがないよ。
「本匠の大水車」だよ。直径は、18.18m。ビルなら、6階建てくらいの高さだね。西日本では、最大の大きさなんだ。
こんなに大きなものが、川が流れる力だけで回っているんだよね。いったい、どんな仕組み? 上から水が落ちてくるように見えるけど……。あっ、そうか。上から流した水を、箱に溜めるんだね。水の重みで、車を回しているんだ。
さすが、はるとさん。仕組みはバッチリだ。水を溜める箱は、専門用語で「バケット」というんだって。掃除に使うバケツと、同じ言葉だね。
大きな水車だから、バケツの数もたくさんだ。いくつあるのかな。数えようとしても多すぎるし、見ていると……あっ、目が回りそう……。
うふふふ。はるとさん、気をつけて!
グルグルグル……。うーん、これは数えるよりも、計算で出した方がよさそうだね。水車の形から考えてみるよ。
よく見てみると……あっ、水車の中に八角形が見えてきた。八角形の1辺は、細い骨で4等分されているよ。
いいね、はるとさん。確かに、こうやって見ると自転車の車輪みたいだ。細い骨は、自転車なら「スポーク」と呼ばれる部分だね。
八角形の1辺はスポークみたいな骨で4等分されて、さらに外周の近くで半分に区切られてる。つまり
\(8 \times 4 \times 2=64\)
64等分だ。
素晴らしい観察だ。さらに近くで見てみると……?
あっ、スポークの間に、バケットが2つずつ! つまり
\(64 \times 2=128\)
全部で128個だ。
ばっちり計算できたね。さすが、はるとさん!
やったあ!でも、そもそもどうして、ここで水車を回しているんだろう?
昔、このあたりにはたくさんの水車があって、お米の脱穀などに使われていたんだって。でも電気が普及してからは、ほとんど使われなくなった。
時代が変わったんだね。
そこで1995年、昔の風景を再現する意味も込めて、本匠の大水車が作られたんだ。この川は番匠川(ばんしょうがわ)といって、九州でも指折りの美しい流れ。近くにはキャンプ場も遊歩道もあるし、この大水車で石臼を回して挽いたそば粉で作るそばも、とってもおいしいと評判なんだよ。
え! この大水車、今でもちゃんと仕事をしてるじゃないか。ますりん、がんばって計算したらお腹が空いたよ。おそば、食べようよ!
*本匠の大水車/大分県佐伯市。1995年完成。直径18.18m(60尺)、幅1.39m(4尺6寸)、総重量は約23t。
〒876-0215 大分県佐伯市本匠大字小半
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