こうたです。滋賀県の野洲市にきています。うーん、いい眺め。松林の向こうに、きれいな海が見えるよ。
そう、さざ波が打ち寄せる、美しい砂浜だね。でもこうたさん、ちょっと考えてみて。滋賀県に、海があったっけ?
だって、ますりん。こんなに広いし、あの島の向こうにも水平線しか見えないし。この眺めは、海でしょ。
ジャジャーン! こうたさん、これぞ日本一の湖、琵琶湖なんだよ。この場所から北東の一番奥の岸まで、40km以上もある。対岸までの距離が一番長いところでは、63km以上もあるんだ。岸は、水平線のはるか向こうだね。
これが琵琶湖なのか〜。でもここから見ていると、やっぱり海としか思えないよ。水の量だって、すごい。湖だということは、ぐるりと岸で囲まれているんだよね。想像もできないな。
本当にそうだね。岸で囲まれている湖だからこそ、このすごい量の水だって、体積を計算できるんだよ。試しにやってみる?
ええっ、この水を? どうやって?
湖の深さが、くわしくわかる「湖沼図(こしょうず)」という地図があるんだ。琵琶湖の全体をます目で区切って、交点の場所の深さを調べていけばいいよ。
なるほど! ます目ごとの深さから、湖全体の平均の深さがわかるね。あとは面積とかけ算すれば、だいたいの湖の体積が求められる!
その通り。まずは、地図を見てみて。ます目は500mごとだけど、さすがに細かすぎるから……そうだね。例えば、5ます、2.5kmずつの交点の深さを調べて、平均すればいいんじゃないかな。
*出典:国土地理院webサイト
よーし。まずこの地図をプリントして、2.5kmのます目を引くね。交点の場所の湖沼図を拡大して、水深を記録して……うーん、けっこう数が多いな……100を越えるかも……もう少し、あと3ヶ所だ……ふぅ、やっと終わった〜。全部で108ヶ所もあったよ。合計は4460.5m。つまり、平均は
\(4460.5 \div 108=41.30…\)
琵琶湖の深さの平均は、約41.3mだ。
*出典:国土地理院webサイト
(東京書籍で複数の画像を合成し、ます目の線と数字を記載)
すごいよ! こうたさん、よくがんばったね。深さがわかったら、次は広さだ。琵琶湖の面積はどうやって考えればいいと思う?
えっと、1辺2.5kmのます目が108個分あるって考えると・・・単位をmにかえて・・・
\(2500 \times 2500 \times 108=675000000\)
675000000m2だね。つまり、琵琶湖の水の量は、
\(675000000 \times 41.3=27877500000\)
およそ279億m3となる。やったー。計算できた! 数が大きすぎて、ぜんぜんピンとこないけれども!
こうたさん、本当によくやったよ! ちなみに、琵琶湖の水の量についてもう少し考えてみると……日本人1人が1日に使う水の量は平均で約200L(0.2m3)で、日本中の約1億2500万人が1年間に使う水の量は、
\(0.2 \times 125000000 \times 365=9125000000\)
9125000000m3だから、約91.25億m3となるよ。
琵琶湖の水の量をこれで割ると、
\(279\)億\( \div 91.25\)億 \(=3.05・・・\)
約3倍となるね。日本中でいっせいに琵琶湖の水を使ったとしても、使い切るには3年くらいかかるってこと。
日本全体の人が使う、約3年分の水がここにあるのか。琵琶湖のすごさが、少しわかった気がするよ。向こう岸なんか、見えないわけだ!
*琵琶湖/滋賀県の近江盆地に位置する、日本最大の淡水湖。日本最古の湖でもあり、およそ400万年の歴史を持つ。
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