今週の算数・数学フォト
- TOP
- 今週の算数・数学フォト
- 北海道はでっかいどう
*写真提供:別海町
みさきです。ここは北海道の別海町。どこまでも広がる草原です。牛が、のんびり草を食べているね。本当に広々してる。
別海町は、生乳の生産量が全国一なんだ。面積は、1320km2。その約半分が牧草地で、633km2もあるんだよ。これが、どれくらいの広さかというと……だいたい、東京23区の面積(622km2)と同じくらい。
えっ。1つの町の半分が、東京23区全部よりも広いの?しかもそれが全部、牧草地なんだ。さすが北海道、スケールが違うね。いやぁ、のどかで雄大な風景だ〜。
いやいや、みさきさん。今はのどかで美しい景色だけど、ここ根釧台地の開拓には、厳しい歴史もあったんだよ。畑作は明治時代に始まったんだけど、冬は寒いし夏は霧が出るしで、なかなか作物が育たなかった。開拓がぐっと進んだきっかけは、1923年(大正12年)。関東大震災で被災した人々を、移民として受け入れたんだって。ちょうどその頃に農業から酪農への切り替えが進み始めたけれど、手作業での開拓は、とにかく大変だった……。
少しずつ土地を開拓して、とうとうこんな広い草原になったの?
ずっと手作業だったわけじゃないよ。さらに大きなきっかけが、1955年に始まった「根釧パイロットファーム事業」だ。ここから大型機械を使った開拓が始まって、この場所は広大な酪農地帯に生まれ変わっていったんだ。今の別海町にあたる地域の人口がどう変わってきたか、グラフで見てみようか。
本当だ。1920年から1930年までの増え方がすごい。そうか、関東大震災が1923年だもんね。10年で、人口が約5倍になったんだ。それがさらに約2倍になった1960年ごろが、人口のピークだね。なるほど、1955年にパイロットファームがスタートしたからか。ますりんに聞いたばかりの話が、全部グラフに表れてる!でも、それからはだんだんと減っていくなぁ。
次々と移住してきて酪農地を広げた年代の人たちが、引退していったのもあるかもしれないね。後継者不足の課題も、思い浮かぶよ。次は、もう1つのグラフも見てみようか。この町で飼われている、牛の数に注目だよ。
「酪農経営体」というのは、1軒1軒の酪農家と考えればいいのかな。1960年と2020年を比べると、酪農家の数は\(\dfrac{1}{3}\)近くに減ってる。だけど、牛の数は10倍以上だね。ええとつまり、農家1軒あたりの牛の数で考えると……?
そう!1つの牧場で飼っている牛が、約30倍になったということ。1軒の規模がどんどん大きくなっていったんだ。
どんどん牛を増やして、どんどん牛乳を生産して、全国一位になったんだね。あれ、ちょっと待って!さっきのグラフで見ると、2020年の別海町の人口は、約14000人だったよね。乳牛は約11万頭もいるよ。
\(110000\div 14000=7.85…\)
住んでいる人の、約8倍の牛がいる。まさに牛の町だ〜!
*北海道野付郡別海町
〒086-0200 北海道野付郡別海町
その他のコンテンツ