今週の算数・数学フォト
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- 気持ちのよさにも訳がある
写真提供:土佐市立波介小学校
こうたです。ここは、高知県の土佐市にある、「波介(はげ)小学校」です。うわぁ、木でできた校舎だよ。気持ちいい!
出典:高知県林業振興・環境部 林業環境政策課
2023年の今年、150周年を迎える歴史ある小学校だよ。この校舎は、2006年に新築されたんだ。地元・高知県の木材が使われていて、その年の「高知県 木の文化賞」を受賞したんだって。
いい匂いで、伸び伸びするな〜。学校の校舎って、みんなコンクリートだと思ってたよ。
そうそう。以前は、ビル建築といえば、とにかくコンクリートだった。木でできた建物は、火事が心配だからね。でも、近頃は木を燃えにくくする方法が実用化されて、木造の校舎も増えているんだって。木造建築にはいろいろなメリットがあるけど、中でも大きいのが「調湿性」。湿度をうまくコントロールするから結露しにくいし、インフルエンザにもかかりにくいと言われることもあるんだよ。
学級閉鎖も減るかもね。この気持ちのよさには、理由があったんだ。
気持ちのよさは、データにも表れるよ。コンクリートの建物と木造の建物を比べた、この2つのグラフを見てみて。どんなことがわかるかな?
「RC造」というのは、鉄筋コンクリートで造られているということだよ。
ええと……暖房を入れる前と入れてから2時間後の、温度の変わり方だね。鉄筋コンクリートの建物では、室温は上がるけど床と壁の温度はあまり上がらない。冷たいままだな。木造の建物では、室温と床と壁の温度が同じくらいまで上がってるね。部屋全体が暖かくなったってことかな?
いいね! すばらしい読み取りだ。だから木造の建物は、コンクリートに比べて足が冷えにくいんだ。木造校舎で過ごす小学生のアンケートでも、「暖かい」という意見が多かったんだって。他にも、床が固すぎないから長く過ごしても疲れにくいとか、ぶつかったり転んだりしてもけがをしにくいとか、いいことづくめ。
そうか、コンクリートより柔らかいからだね。それに、木の匂いもいいんだよね〜。
この匂いには鎮静効果があって、集中力が高まるとも言われているよ。木造の建物が、もっともっと増えるといいけど……。今の林業の、高齢化と後継者不足も気になるところだね。若い人が、足りないんだって。
そうなんだ……。こんなにいい空間を作る、木の仕事。林業についても、調べてみようかな!
*波介小学校/高知県土佐市。
〒781-1143 高知県土佐市波介
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