今週の算数・数学フォト

畳石

ひろとです。ここは、久米島町の奥武島(おうじま)。空も海も、沖縄だね〜!

そして、今は引き潮だよ、ひろとさん。波打ち際が、どんどん遠ざかっていく。空や海と一緒に、足元もよく見ていてね?

あれっ、岩が見えてきた。ここは砂浜ではないんだね。ずいぶん平らな岩だ。不思議な模様だな。

【今週の算数・数学フォト】太い柱の断面図02

*写真提供:©沖縄観光コンベンションビューロー

たくさんの六角形が並んでいるよ。よく見ると五角形や七角形もあるね。これは、「畳石」って呼ばれていて、はるか1千万年も昔、ドロドロの溶岩がゆっくり冷えて固まるときに、割れ目ができてこうなったんだって。波に削られて、タタミみたいに平らになっているから畳石って呼ばれているのかもね。
実は、この割れ目は地中深くまでずっと続いているんだよ。この模様の一つ一つが、柱のような構造なんだ。

一つ一つが、柱の断面なの?ずいぶんダイナミックだ。こんなにいろいろな多角形が、自然にできるんだね。かかる時間も大きさも全く違うけど、霜柱を思い出すな。

なるほど!確かに、この溶岩の固まり方は、寒い朝に霜柱ができる過程にも似ているよ。「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」というんだ。日本のいろいろなところで見られるんだけど、奥武島の畳石は、柱の一本一本が太いのが特徴。国の天然記念物にも指定されているよ。

今、僕が立っているこの六角形なんて、両手を広げた長さよりまだ大きい。つまり、幅は2mくらいかな。うーん、断面の面積はどれくらいだろう。

柱の断面を正六角形と考えて、およその面積を計算してみてもいいんじゃない?

うん、簡単な方法を思いついた。まず正六角形を、中心を通る3本の対角線で切る。正三角形が6個できるよ。この正三角形の高さを求めるには、正三角形の1つの頂点から垂線を引けばいいね。できた直角三角形は、3つの角が30°、60°、90°の直角三角形。これは特別な直角三角形で、辺の長さの比は \(1:2:\sqrt{3}\) だ。

【今週の算数・数学フォト】太い柱の断面図03

六角形を、6つの正三角形に分けて考えるんだ。なるほど。いいね!

そうなんだ。分けた正三角形の1辺の長さを \(a\) とすると高さは \(\dfrac{\sqrt{3}}{2}a\) だから、面積は \(a\times \dfrac{\sqrt{3}}{2} a\times \dfrac{1}{2}\) だね。これが6つ集まっているわけだから、正六角形の面積は、\(\dfrac{3\sqrt{3}}{2}a^2\)
つまり、1辺の長さを2乗して \(\dfrac{3\sqrt{3}}{2}\) 倍すれば、正六角形の面積はすぐにわかる、というわけ!

【今週の算数・数学フォト】太い柱の断面図04

すごいよ、ひろとさん。公式を作っちゃったね。

正六角形の面積の求め方は、まだあるよ。中心を通る対角線で分けると台形が2つできるから、これを使って求めてもいい。1つの図形の面積も、いろいろな考え方で求められるってことだね!

【今週の算数・数学フォト】太い柱の断面図05

*畳石/沖縄県久米島町

〒901-3106 沖縄県島尻郡久米島町

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