今週の算数・数学フォト
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- 不思議な2段ピロティ
ゆうなです。ここは、鳥取県の温泉にあるホテル、「東光園」です。不思議な建物だね。まっすぐな柱がたくさんあって、屋上には三角屋根。全体の雰囲気が、何かに似てるんだけど。何だろう?
菊竹清訓(きくたけ きよのり)さんという建築家の設計で、1964年に建てられたホテルだよ。彼は、江戸東京博物館や九州国立博物館を設計したことでも有名だね。さっそく中に入ってみよう。
天井が高くて、外の光がたくさん入って、すごく気持ちがいいロビーだね。建物の中から見ても、やっぱり柱でいっぱいだ。かべがないから、広く感じるのかな。
このまま4階まで上るよ。さぁ、どんなフロアかな?
あれっ、ここにも壁がない。ここは4階だから、この天井は5階だよね? 5階が浮かんでる? 柱だけで、上の階を支えてるってこと?
全体の仕組みを説明するね。この建物には、たくさんの柱が6階までドンと貫かれていて、その上の大きな梁を支えているんだ。そして、5階と6階は、なんと、その梁から吊るされているんだよ。
え! フロアが丸ごと、上からぶら下がってるの?
そういうこと!壁のない、こういう吹き抜けを、ピロティというんだ。さっきの1階も、同じ仕組みだったでしょ? つまり、ここは1階と4階に2つのピロティがある建物なんだけど、こんな構造は世界にも例がなくて、「最初で最後の2段ピロティ」とも呼ばれているんだよ。
*出典:米子工業高等専門学校
大きな柱の上に梁を渡す作り……神社の鳥居みたいだね。そうか、さっき建物の外観が何かに似ていると思ったんだけど、神社だ! 屋根のデザインも神社みたいだよ。
さすがゆうなさん、鋭いね! この建物は、厳島神社の鳥居を参考にしているんだ。屋根は、出雲大社がモチーフなんだって。
(厳島神社/広島県甘日市と、出雲大社/島根県出雲市)
本当だ。細い柱で太い柱を支えているところが、そっくり。伝統的な神社の構造とデザインが、現代の建物によみがえったんだね。それにしてもこの吹き抜け、建物の仕組みがよく見える。まさに、空間図形の平行や垂直、ねじれの位置にある2直線のオンパレードだ!
*ホテル東光園/鳥取県米子市。
〒683-0001 鳥取県米子市皆生温泉
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