今週の算数・数学フォト
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こうたです。ますりんと、山形県東根市に来ました。サクランボで有名な土地なんだよね。
全国のサクランボ生産量の、実に7割を占めるのが山形県なんだ。その中でも、ここ東根市の生産量は、全国の市町村の中で第1位! 日本で今一番たくさん生産されている「佐藤錦」だって、東根市の佐藤栄助さんが作った品種なんだよ。
でもますりん、桜の花って4月に咲くよね。それからサクランボが実るのは、夏の初めごろかな? 今はちょっと、季節外れというか……。
いやいや、こうたさん。これから来る冬が、サクランボにとってすごく大切なんだ。今日は、その話をしたいんだよ。
まず、桜の花芽は夏にできるんだ。来年の花の準備は、もうとっくに始まっているということだね。ところが、できた花芽はそのまま休眠してしまって、その眠りから覚めるためには、なんと寒さが必要なんだって。これを「休眠打破」というんだけど、冬の寒さを越えてから春の暖かさが来ることで、やっと花が開く仕組みになっているんだね。普通の佐藤錦は6月から7月上旬が最盛期だけど、この仕組みを利用して温室で育てれば、ぐっと早い4月から出荷できるんだ。
まだ春が来ていないのに、春が来たと勘違いするくらい暖かくしちゃうってことだ。温室ってすごいね。
すごいよね。しかも、さらにすごい方法があるんだ。
まず、花芽のできた桜の木を丸ごと冷蔵庫に入れて、冬が来たと勘違いさせる。それから温室で育てる。「超早期加温ボックス栽培」という方法なんだけど、これならなんと、1月にサクランボを出荷できてしまう。今年、2022年1月の初出荷では「日本一はやいサクランボ」として、LLサイズ500g入りの1箱が、過去最高の120万円でせり落とされたんだよ。
えええええ。120万円!! 真冬にサクランボを食べられるのは、確かにとんでもなく珍しいけど。でも、たった500gで120万円だなんて。いったい、1粒あたりいくらになるのかな?
そうそう、やっぱり数えてみなくちゃね。これが、LLサイズのサクランボ1箱だよ。
*写真提供:JA全農山形
縦に8粒、横に5粒並んでいるから、40粒かな。
……待てよ。すき間にも、赤い粒が見える。箱の中は、2段重ねになっているんだ。下の段は、上の段のすき間の数だけのサクランボが並んでいるわけだから、縦に7粒、横に4粒で28粒。ということは全部で・・・
\(40+28=68\)
68粒入った1箱が120万円だから、箱代を考えなければ
\(1200000 \div 68=17647.05…\)
つまり、1粒あたり約18000円だ。まさに宝石だね。もったいなくって、食べられないよ!
山形県東根市
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