算数・数学フォト

2022.10.31

ジオデシックドーム作り

旧西里小学校

はるかです。熊本県の小国町に来ています。ルーロー、あれが小学校の校舎だった建物なの? おとぎの国の小さな村みたい。真ん中のおもしろい形をしたドームも気になるな。

【今週の算数・数学フォト】ジオテックドーム作り02

そう、これが「旧西里小学校」だよ。2009年に他校と統合されて使われなくなった校舎だけど、土地の木材を使ったユニークな建築は、今でも町の大切なシンボルなんだ。ドームの中に入ることもできるよ。

【今週の算数・数学フォト】ジオテックドーム作り03

中は広くて気持ちがいいな。きっと、入学式も卒業式も、この場所で開かれたんだね。……うわぁ、天窓がキラキラ! 五角形が浮かび上がって見える。細かく見れば窓も壁も全部が三角形でできているし、見方を変えると、大きな三角形や六角形も見えてくるね。
そうだ、つまようじをグルーガンで組み立てて、模型が作れるんじゃない? やってみたくなってきた。

あっ、それはいいね! じっくり観察すると、どんな形で構成されているのか見えてくるよ。よく覚えておいて、帰ったらさっそく作ってみよう。

……というわけで。つまようじもグルーガンも、バッチリ準備できました!
ドームのいろいろな場所に見えた三角形や五角形は、それぞれ正三角形、正五角形と考えていいよね。内側から見たときに天窓のまわりや壁に正五角形が見えたから、あのドームは正十二面体がベースになっているんじゃないかな? というのが私の予想なんだ。

まず、つまようじ5本で五角形を作るよ。そこから、次の五角形をつなげて……ざっと組み上げると、こんな感じ。

【今週の算数・数学フォト】ジオテックドーム作り04

さすが、はるかさん。鋭いね! ここから、どうする?

うーん。旧西里小のドームは、もっと球に近かったよね。まず、正十二面体のそれぞれの面は、中心から5つの三角形に分割されていて……そして、もうちょっと外側にふくらんでいたはずなんだ。あっ、そうか。正十二面体の外側に、それぞれの面の正五角形を底面とする五角錐を作っていけばよさそう!

【今週の算数・数学フォト】ジオテックドーム作り05

じゃーん、完成! と思ったけど、ちょっとおかしいな。同じ長さのつまようじで五角錐を作ったら、とんがり過ぎちゃった。丸くならないなぁ。もっと、高さが低い五角錐にしないといけないね。

すごいよ、はるかさん! いい線まで来てる。つまようじを切って、長さを調節してみたら? もうヒントを出しちゃうけど、65mmのつまようじを56mmにカットすると、ぴったりに作れるはず。

ところで、こういうふうに正十二面体や正二十面体をベースにして、球に近い形になるように高さの低い角錐を加えて作った多面体構造には、すごくかっこいい名前があるんだよ。最軽量で、最高強度の建造物を作ることができる、特別な構造。これぞ、「ジオデシックドーム」。

ルーロールーローが話してくれている間に、やっとやっと完成したよ。わたし、自分でジオデシックドームを作っちゃった!

【今週の算数・数学フォト】ジオテックドーム作り06

*旧西里小学校/熊本県小国町。1991年建設。四十八面体のドームを囲むように、各教室が並ぶ。昔ながらの集落構造がモチーフとなっている。

*模型3点は、大野寛武先生作

〒869-2504 熊本県阿蘇郡小国町西里

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